RPGだと、どうしてもレベルアップをしながら敵を倒していき、ゲームを進めて行きがちだが、ドラクエ8にはそれ以上に深い内容が詰まっている。主人公一人をとってもそうだ。出生時の記憶を消された主人公であったが、ゲームの途中で彼の正体、また両親の真実を明らかにされる。また、幼少期にいたってはトロデーン国のミーティア姫との出会いがある。なぜに彼はここで育ち、成長していくかは気になるところである。
そしてゲームの最大の楽しみの一つ、仲間たちとの出会いにもそれぞれストーリーが詰まっている。いかつい顔をしたヤンガスだが、なぜ主人公にはそんなに腰が低く、「兄貴」とまで呼んで尊敬しているのだろうか。それは自分の犯した悪行によって命が落ちかねない状況に至ったヤンガスを、慈悲深い主人公が助けてくれたからであった。ドラクエ8は長い旅であるが、単純にゲームを進めていくのではなく、ゲームの中の主人公たちと一体になって、それぞれのストーリーを楽しめるはずである。