映画にもなった「八日目の蝉」で知られる角田光代のサスペンス小説が原作として映画化された「紙の月」(2014年)。「桐島、部活やめるってよ」のヒットで知られる吉田大八監督、7年ぶりの映画主演である宮沢りえ、池松壮亮、小林聡美、大島優子といった豪華出演陣で制作された。以前にドラマ化もされている。
舞台は1994年、バブル経済がはじけて間もないころに宮沢りえ演じる梅澤梨花は銀行員として働いていた。平凡な主婦ではあったが仕事への取組み方、気配りのやり方が周りに評価され、信頼を得る。上手くいっている仕事とは反対に、夫は自分に無関心で関係に疲れを感じ始めている。そんな中、池松壮亮演じる大学生光太と不倫関係に。何度も光太と会ううちに不倫関係の深みにはまり、梨花は銀行員の立場を利用して顧客から金を着服し始めてしまうのだが…。