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宇多丸 映画批評 バケモノの子

by админ
 2015年の夏に公開された細田守監督の『バケモノの子』。細田氏が監督を担当した長編アニメ映画では5作目となります。細田守作品の一貫したテーマは「愛」。『時をかける少女』では少年と少女の淡い恋心を描き、『サマーウォーズ』では大家族を通して全てを包み込むような家族愛を描きました。『おおかみこどもの雨と雪』では母親の子供に対する愛情を描き、今作では父と子供の成長ストーリーとなっています。

 作画スタッフにはスタジオジブリより『ハウルの動く城』『崖の上のポニョ』などを手がけた高松洋平氏、大森崇氏、西川洋一氏ら豪華なメンツが美術監督として参加されています。吹き替えは声優と俳優の両者を起用。役所広司、宮崎あおい、染谷将太、広瀬すず、大泉洋、リリー・フランキー、津川雅彦、麻生久美子など旬の役者たちと、宮野真守、山口勝平などのベテラン声優によってアニメーションに生き生きしたキャラクターの息吹が吹き込まれました。
宇多丸が映画『バケモノの子』を語る
 宇多丸さんのラジオのリスナーの方々の反応は、褒めている人とそうでない人の比率は半々くらい。『いろいろ詰め込みすぎたのではないか』『後半が消化不良』『ストーリーが進むのが早すぎて観客がついていけない』との辛辣な意見も。ジャッキー・チェンの酔拳や蛇拳を彷彿とさせるシーンや、熊徹が九太を鍛える時にモハメド・アリの名言『蝶のように舞い、蜂のように刺す』を引用している点も指摘されており、確かにそうだったな〜と監督の遊び心にクスッとさせられました。
「バケモノの子」予告2
 映画の冒頭で渋谷のスクランブル交差点のショットがあるのですが、街のリアルさと群衆の書き込みには圧巻させられます。このシーンはたった数分ですが数ヶ月以上の膨大な時間と労力を費やしたそう。ちなみに宇多丸さんはモブキャラの”ゆるい感じ”が好きとのことです。
映画「バケモノの子」公開記念SP!役所広司・宮崎あおいがバケモノの子制作現場に潜入
 主人公はわずか9歳の時に親を亡くし行き場を失った少年、蓮(声:宮崎あおい・染谷将太)。渋谷の街を1人で彷徨っているうちにバケモノの世界に迷い込んでしまいます。異世界へ迷い込む描写は宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』を思い起こさせられますね。バケモノ界では熊徹(声:役所広司)という粋で親切な熊のおじさんに拾われ、弟子となりギクシャクした関係のまま修行が始まります。蓮という名前も捨て、熊徹に『9歳だから九太だ!』と名づけられます。ストーリーが進むにつれ、九太にとって熊徹は師匠であり父親という存在になってゆきます。映画のタイトルはこの点に由来しているんですね。

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