名優にして名監督、として知られるクリント・イーストウッドがメガホンをとった「アメリカン・スナイパー」。原作者であるクリス・カイルの自伝的小説「American Sniper」からとったタイトルである今作品は、公開直後からアメリカ国内で保守、リベラル双方の舌戦の格好の主題となったことでも知られる。
著名人や政治家たちがさまざまな解釈をし、さまざまな理由や立場からこの作品を語る中で、クリント・イーストウッド自身は「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」「グラン・トリノ」などの彼の手による他の戦争を題材とした映画の際と同じく、そうした問題への言及は避けている。アメリカ映画協会が選ぶその年のベストトップ10には選ばれたが、賞レースにおいては「バードマン」の勢いに押され、アカデミー音響編集賞のみにとどまっている。