フリーザ軍の中でも選りすぐりのエリート戦士だけで構成された1部隊。
フリーザ側近であるザーボンですら、その名前を聞いたとたんにたじろいだほどだったこと、かなりのパワーアップをしたベジータも恐れていたことから、フリーザ軍のなかでもハイレベルな戦士たちなことがうかがえる。
それぞれ別の惑星の種族のためか姿がバラバラだが、フリーザへの忠誠心と隊長であるギニューとのつながりは非常に強い。
実際にフリーザもザーボンやドドリアと違い、ナメック星人や地球人の後始末を完全にギニュー特戦隊に委託したこと、スカウターに5人の反応がなくなっていたことに愕然としている点などからその信頼が伺える。
ギニュー特戦隊の一番の特徴は「スペシャルファイティングポーズ」である。登場そうそうフリーザの前で自己アピールのようにポーズし、全員で出動するときはまた違うポーズをする。
アニメ版では悟空の姿になったギニューが戦う前に歌舞伎のような「見栄」をはり、そのたびに相手を硬直させている(上司であるフリーザも珍しくマンガ汗を垂らすほど)。
グルドが倒されたときのセリフからするとこれらの振り付けはギニューがやっているらしい。
そのほかギニュー特戦隊には
・全員の名前の由来が牛乳やチーズなどの乳製品
・順番や役目を決めるときは必ずじゃんけん
・みんなチョコパフェが大好き
といった特徴がある。
ギニュー特戦隊の構成
隊長:ギニュー
紫色の肌に二本のツノを持ったやや大きめな戦士。
おもにファイティングポーズは彼が振りつけているらしく、フリーザがドラゴンボールをそろえたときは「喜びのダンスを踊りましょうか」と進言していた(原作では断られたがアニメではしっかり踊っている)。
ふざけているようにも見えるが戦闘に関してはかなり誇り高く、卑怯な真似をしたジースを叱りつけるなどのプライドを見せる一面もある。
名前は「牛乳」→「ギューニュー」→「ギニュー」。
サブリーダー格:ジース
赤い肌に白い長髪が特徴の戦士。
「ギニュー特戦隊の赤いマグマ」の異名をとり、バータと組んで悟空を倒そうとした。
名前は「チーズ」→「ヂース」→「ジース」
リクーム
四角い顔にオレンジ色のややモヒカンじみた髪の戦士。
屈強なパワーファイターで、ベジータと死闘を繰り広げた。自分の技にひとつひとつポーズをつける癖があり、アニメ版ではかなり細かく動きが書き込まれている。
まるでバレエダンサーのようなポーズが特徴的で、相手を倒すと宣告するときはヒップを向けた「ファイナルポーズ」を見せる。
名前は「クリーム」→「リクーム」。
バータ
トカゲのような青い肌の戦士。
宇宙一のスピードをほこる「ギニュー特戦隊の青いハリケーン」。そのスピードはベジータが思い切り投げたドラゴンボールを一瞬で回収してしまうほど。
アニメ版でオカマ言葉で話すのは声優のアドリブ。
名前は「バター」→「バータ」。
グルド
メンバーの中でも一番小さい、4つの目を持つ戦士。
戦闘力は低いが超能力を持ち、その実態はベジータでさえもうわさでしか知らなかった。顔が特徴的なせいかスカウターを唯一つけていない。
名前は「ヨーグルト」→「グルト」→「グルド」。
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ギニュー特戦隊のメンバーの戦闘力
ギニューの戦闘力
初登場時にはクリリンに気を察知され、一番の戦闘力を持つことを見抜かれている。
実際に「戦闘力は12万」と公言されており、フリーザもその実力は一目置いていたフシがある。
さらには悟空と戦う際に「戦闘力をコントロールするタイプ」「スカウターをあてにしてはいけない」「予想では6万ほど」と予測するなど、かなりの洞察力を持っている。
ジースの戦闘力
戦闘シーンはおもにバータと組んでいたので戦闘力がはっきりわかるシーンは少ない。しかしリクームをあっさり倒した悟空を見るやさっさと逃走したことから、リクームと同じ程度の戦闘力3万~5万と考えられる。
フリーザにスカウターを渡す、スカウターの数値を非常に気にしているなどしていたことから、むしろ彼は戦闘要員よりも経理やマネージャーのようなポジションだった、という説もある。
リクームの戦闘力
ギニュー特戦隊でも戦闘シーンがかなり多く描かれたが、はっきりと戦闘力がわかるシーンはなかった。
しかしナメック星に到着した時点で24000、その後ザーボンに重傷を負わされてパワーアップしたベジータを上回る強さであったこと、およびあとになってやってきた悟空がギニューの見立てでは6万ほどと見られていたことから推測すると戦闘力3万~5万ほどと推測される。
バータの戦闘力
やはりジースと組んでいたシーンが多いために正確な数値は不明。
しかしこのあと、戦闘力100万程度のピッコロ(ネイルと融合後)が、第三形態のフリーザに簡単に追い抜かれていたことからすると、戦闘力2万4千を超えるベジータを大きく上回ると考えられる。
よって推測では戦闘力3万~5万程度。
※栽培マンと天津飯が戦う姿をZ戦士の中で悟飯だけが見えないというシーン、フリーザ最終形態の攻撃をベジータだけが見破ったシーンから、戦闘力とスピードはほぼ比例すると考えて問題ない、と思われる。
グルドの戦闘力
初登場時クリリンが「あいつだけたいしたことない」とかえって驚いている描写がある。
クリリンと悟飯はナメック星に到着してすぐ、フリーザ軍兵士にスカウターで戦闘力1万を超えていると計測されていること、この時点でナメック星人の最長老に潜在能力を引き出してもらっていること、この後で悟空とボディチェンジした戦闘力2万3千のギニューと互角だったことから、戦闘力2万~3万程度だったと考えられる(さすがにベジータを超えていたとは考えにくい)。
このクリリンからたいしたことないと思われるということは、せいぜい戦闘力1万~2万だったと考えるのが妥当である。キュイや初期のベジータレベルということになる。
一方で超能力は戦闘力とそれほど関係しないらしいことがうかがえる。以上をふまえるとギニュー特戦隊の戦闘力平均は6万程度ということになる。
フリーザ第一形態の53万には遠く及ばないが、ザーボンとドドリアが力を合わせると24000程度に立ち向かえるレベル(ベジータの戦闘力をはかったフリーザのセリフから)だったことからするとたしかに恐れられる部隊であったことがわかる。
ギニュー特戦隊のメンバーの能力
ギニュー
なんといっても「ボディチェンジ」が挙げられる。
相手の体と自分の体を取り換えてしまうために、不利だった状況を一瞬で有利にしてしまうことさえ可能であり、中盤悟空もさすがにピンチになった(アニメで描かれたギニューの姿でチチの家で食事する風景を悟空が妄想するシーンは必見)。
アニメやゲームを含めるとブルマやベジータともボディチェンジしており、ギニューという中身さえあれば利用可能な能力であるらしいことがわかる。
また「ドラゴンボール超」では、筆談ですらボディチェンジは可能であることが描写された。このほかドラゴンボールを運ぶ際に念力を使っていたが、フリーザやグルドのように戦闘には使わなかった。
PS3/PS4/Xbox/Xbox360ソフト「ドラゴンボール ゼノバース」では、ボディチェンジという技を習得することはできるが、実際はプレイヤーとの対戦時にしか使えないという限定化された必殺技として設定された。
ジース
バータと組んで使った「クラッシャーボール」が有名。気で作り出したボールをバレーボールの要領で打ち出す技。このほか、悟空の動きを止めようと打ち出した気弾がある。
リクーム
ベジータにひざ蹴りを打ち込んだ「リクームキック」、悟空にかわされた「リクームマッハアタック」、口から吐く「リクームイレイザーガン」などなど、どれも技名に「リクーム」がつく。
どれも威力は抜群であり、イレイザーガンは星の地形を変えてしまうほどだった。ただしそれはリクーム自身にとっても危険であることは変わりなく、悟飯の攻撃で口を閉じてしまった時は自分も少なからずダメージを受けていた。
さらに、「リクームウルトラファイティング・・・」ではじまる豪快な技があるが、途中で悟空に攻撃されて気絶したために正確な名前はわからずじまいである。
ゲームによっては「ウルトラファイティングボンバー」または「ウルトラファイティングミラクルボンバー」などとつけられていることもある。後述のテーマソングでは後者が採用されている。
バータ
猛烈な勢いで打ち出すキックが特徴的。ゲームでは「マッハキック」などと名づけられている実際エフェクトが通常のキックよりも数段多く描かれている。
このほか「青いハリケーン」の名前から、実際にハリケーンを作り出す「ブルーハリケーン」というオリジナルの技が登場するゲームもある。
グルド
時間を止める「タイムストップ」、大木を切って相手に投げつける「サイコキネシス」、敵の動きを止める「金縛り」が有名。
PS2ソフト「ドラゴンボールZ Sparking! METEOR」などのゲームでは一人一人にオリジナルの技が割り当てられていることが多い。
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ギニュー特戦隊の歌
「ドラゴンボールZ」では特有のBGMすらなかったが、「ドラゴンボール改」では専用のテーマソング「参上!!ギニュー特戦隊!!」がつくられた。
歌詞の内容は特戦隊メンバーが一人一人自己紹介し、「じゃんけんで決まり」「チョコパフェは分けてやらない」「カエルは嫌い」などなどすべて原作を忠実になぞっているものである。
しかしそれ以上にこの歌を名作にしているのが「特戦隊 特戦隊」と繰り返している部分である。
「ドラゴンボール改」第28話にてギニュー特戦隊が登場すると、誰も予想しなかっ「とっくせんたい♪とっくせんたい♪」と異常なノリの歌が流れ、動画サイトではこの歌をネタにした作品が大量に出回った。
歌と作曲を担当されたのは山崎 耀(やまざき よう)さん。なんとAKB48の「ヘビーローテーション」を作曲した方である。
「ドラゴンボール改」の後半のエンディングテーマ「心の羽根」はAKB48がうたっており、当時メンバーだった高橋みなみさんは「改」本編に出演している。
ギニュー特戦隊のうんちく
アニメ版では死後の姿も描かれた。界王星で修業を続ける天津飯、ヤムチャ、チャオズの修行相手として呼び出されて戦った。
その後は劇場版「ドラゴンボールZ 復活のフュージョン!!悟空とベジータ」において、あの世とこの世がつながった際に登場しているが、フリーザを一撃で倒した悟飯をみて逃げ出してしまった。
原作者の鳥山明先生はこのエピソード執筆中に息子と一緒に見ていた「地球戦隊ファイブマン」を見てファンになり、それをモデルにギニュー特戦隊を作った。
「ファイブマン」は5人の戦士が兄弟で小学校の教師をしているなど、新しい試みが施された作品であるほか、作中でも「銀河戦隊ギンガマン」という悪の戦隊が登場している。
このほか女優の水野美紀さんのデビュー作であり、子役時代の中川翔子さんの出演作でもある(中川翔子さんはずっと後、劇場版「ドラゴンボールZ 神と神」の予言魚の声を担当している)。
劇場版「ドラゴンボールZ とびっきりの最強対最強」では、フリーザの兄であるクウラの元にも「クウラ機甲戦隊」という似たような部隊がおり、3人と少ないながらもやはりポーズをとるあたりが酷似している
(リーダーであるサウザーはギニュー特戦隊の一人ジースとライバル同士という隠し設定が存在する)。
「ドラゴンボールZ」でリクームを演じたのは内海賢二さん。
「北斗の拳」のラオウの、あの人である。しばしば悪の大ボスなどを演じられる方だが、リクームのテンションの高さには恐れいる。内海さんはこのほか神龍の声なども担当されていた(2013年逝去)。
ゲームボーイアドバンスソフト「ドラゴンボールZ 舞空闘劇」では、ギニューを主人公にした「ギニュー特戦隊IFストーリー」が語られる。
ギニュー以外の隊員が死すも、地球のドラゴンボールを使って全員が復活するが、思わぬオチが用意されている(キャラクターとしての登場はギニューのみ)。
スマートフォンアプリ「パズル&ドラゴンズ」では「ドラゴンボールコラボ」によってギニュー特戦隊全員が登場した。
ギニュー特戦隊のみしか使えない特性がある上、その特性を使うためにはかなりの労力を必要とするため、使う人を選ぶキャラクターである。
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