洞木ヒカリは碇シンジが転校してきた第3新東京市立第壱中学校の2年A組に所属している生徒です。
年齢は14歳です。生年月日は2002年の2月18日で、水瓶座です。血液型はAB型です。鈴原トウジや相田ケンスケと同じく、碇シンジのクラスメイトとして登場しています。
ヒカリは、外見としては、まず頬にあるそばかすが特徴的なキャラクターといえます。責任感が強く、しっかりとした性格や考え方の持ち主であるため、2年A組では学級委員長をつとめてもいます。
そのため、周囲からは「委員長」や「いいんちょ」といった呼ばれ方をしています。
逆に、洞木ヒカリのことを名前や名字で呼ぶ人間は作中では殆ど存在していないくらいで、「委員長キャラ」としてのイメージが強いキャラクターです。
ヒカリは、作中ではあまりクローズアップされることのないキャラクターですが、シンジやアスカの所属する2年A組の中では主要キャラの一人として描かれています。
アニメキャラの中でも代表的なそばかすキャラとしてファンに親しまれているキャラクターで、隠れたヒロインと呼ぶ声もあります。
そして、洞木ヒカリもまた、2年A組の他のクラスメイトと同じように、エヴァのパイロット候補であるという側面があります。潔癖症な側面もあるようです。
ヒカリの友人関係
また、ヒカリは他人に対して非常に面倒見がいいことでも知られています。その真面目過ぎる性格から、時として、不真面目過ぎるトウジやケンスケと喧嘩になることが多いようです。
ヒカリは、アスカと共に、シンジとトウジとケンスケの3人のことを、半ば呆れながら「3バカトリオ」と呼んでいるようです。
シンジとトウジとケンスケの方は、そんな学級委員長であるヒカリの、思ったことをはっきり口にするような部分を、少し疎ましく感じているようなところがあります。
しかし、完全に嫌っているということではないようで、なんだかんだと仲良く一緒に学校生活を送っているシーンが散見されます。
アスカとの関係
アスカと犬猿の仲であるクラスメイトの相田ケンスケとは異なり、作中では惣流・アスカ・ラングレーとは大の仲良しとして知られています。
アスカは繊細な面がありつつも、どこか攻撃的で人を寄せ付けないところがあるのですが、そんなアスカが信頼している貴重な人物がヒカリです。
アスカがミサトの家から家出をした際には、ヒカリの家に泊まったりもしています。そんなヒカリもアスカのことを信頼しており、アスカに好きな人について打ち明けたことがあります。
ミサトとの関係
また、ヒカリはミサトとも仲が良いようで、作中の後半、ヒカリが第3新東京都市から疎開していく際には、ペンペンを預かっていくといったことがありました。他にも、ミサトには、彼女が三佐に昇進した際に、その昇進パーティーに誘われるなどしています。
トウジとの関係
ヒカリが好きなのはトウジで、普段は喧嘩しているのですが、密かに好意を抱いているようです。
とくにヒカリは、不器用なトウジが時折垣間見せる優しさに交換を持っているようです。ときには、弁当を作ってトウジに食べさせようとするなどといった、女性的で家庭的な一面を見せています。
また、トウジの方も、第10使徒ゼルエルの来襲時には、避難の最中に戦闘による爆風に巻き込まれたヒカリを庇ってみせるなど、男らしい側面を見せています。
こうしたトウジの一面を、ヒカリは好ましく思っているようです。しかし、ヒカリが作った弁当は、トウジが3号機の事故に巻き込まれてしまったため、作中ではお弁当を食べてもらうことは出来ませんでした。
洞木ヒカリの名シーン
「碇くん!追いかけて!女の子泣かせたのよ!責任取りなさいよ!」
作中の第9話で、ヒカリがシンジに対して発した台詞です。
そのとき、シンジとアスカは、使徒との戦闘の対策のため、ツイスターゲームでお互いの呼吸を合わせるというトレーニングを行っていました。ところが、シンジのアクションが下手なのか、二人の息は最悪で、全くうまくいきません。
しかし、試しにレイとシンジが同じくツイスターゲームをやってみると、シンジとアスカがやったときとは全然違い、非常にうまくいきました。
そのことで腹が立ったのか、アスカは部屋を飛び出してしまいました。そのときに、ヒカリがシンジを怒るようにこの発言をしています。
シンジからすれば、少し理不尽にも感じられる台詞かもしれません。しかし、そのちょっとした理不尽さも含めて、魅力的な台詞だと言えるかもしれません。ヒカリとアスカとの友情の厚さも垣間見ることが出来る台詞です。
「鈴原の好きな子って、綾波さんかもしれない…」
ヒカリは、不安そうに、こんな台詞をアスカに向かってこぼしています。原因は、屋上でトウジとレイが会話しているところを目撃してしまったせいのようです。
このヒカリの心配に、アスカはビックリしたようなりアクションをして、「安心して、ヒカリ。それはないわ。あの女はシンジの1万倍も、人との付き合い方知らないもの」と、それが何かの誤解なのではないか、という台詞を返しています。
また、このあと、アスカから、トウジのどこが好きなのかと聞かれたヒカリは、恥ずかしそうに頬を赤らめながら、「優しいところ」と答えています。
普段は思っていることをズケズケと言うヒカリの、意外にいじらしい乙女な側面をうかがうことが出来る、良い台詞です。
「誤解も6階もないわ」
この誤解という言葉は、5階という言葉とかけているようです。
作中の第9話で、シンジとアスカがペアルックで同棲しているということを知り、誤解だと説明したシンジとアスカに対して、ヒカリが言い放った台詞です。
同じシーンで
「不潔よ、二人とも」
という台詞もヒカリは言っています。この誤解は、ミサトがちゃんと誤解を解いてくれるまで続いていたようです。
「コダマお姉ちゃんとノゾミとあたし。4人分かぁ。明日は食べてくれるかな……?」
第18話に登場する、悲しい台詞です。ヒカリはアスカのアドバイスに従う形で、トウジに弁当を作っていました。ヒカリの姉や妹であるコダマとノゾミ、それに本人のヒカリを合わせても、3人分にしかなりません。
ここで4人分と言われているのは、トウジの分も手作りしている、ということを暗に示しています。その日も弁当作りに励んていたヒカリですが、その裏では、エヴァ3号機に搭乗していたトウジが、悲劇に襲われていました。
密かに3号機に侵入し寄生していた使徒バルディエルによってエヴァ3号機は暴走することになり、初号機によって破壊されています。作中ではトウジは左足を失う重傷を負い、それ以降学校に来ることはなくなってしまいます。
そんなことをつゆ知らず、トウジがお弁当を食べてくれることを楽しみにし、思いを馳せながら弁当を作り続けるヒカリが言った言葉がこの台詞です。
ヒカリは知るよしもないことですが、全てを知る視聴者からすれば、このヒカリの何気ない台詞は悲哀を誘います。また、トウジは重傷を負いながらも、ヒカリのお弁当を食べられなかったことを気にしていました。
洞木ヒカリの意外と知らないうんちく
名前の由来
登場人物のうちの何人かは、芥川賞作家である村上龍が執筆した『愛と幻想のファシズム』の中の登場人物からとって、名前をつけられていることが知られています。
実は、洞木ヒカリの名前もまた、そこから由来しているのです。
作中に登場する、新右翼の元科学雑誌の編集者で、政治結社狩猟社の幹部として行動計画を作成立案している洞木紘一という人物の「洞木」が洞木ヒカリの名前の由来となっています。
下の名前のヒカリの方ですが、ヒカリの姉妹の名前が、それぞれ洞木コダマと洞木ノゾミ、また洞木家の飼い犬の名前がMAXという名前であることから考えて、おそらくは新幹線の車両であるひかりから取られたのではないかと考えられています。
ゲーム版では・・・
セガサターンで発売されたゲーム版では、ヒカリがシンジとキスするシーンがあります。使徒の攻撃で記憶喪失になっているシンジに、アスカが、シンジとヒカリは付き合っていると嘘をついたことで、そのような結果になったようです。
また、このゲーム版では「地球防衛バンド」というバンドを結成して、ヒカリはボーカルをつとめ、「奇跡の戦士エヴァンゲリオン」という曲を歌ったりしています。
その歌声は、意外に上手いものでした。しかし、続編の『新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression』ではヒカリはボーカルになるのを断っているようです。
アスカの代役をしていた?!
作中の第22話において、アスカが「やってるわよ!」と叫ぶシーンがあります。しかし、実はこの声はよく聞くと、アスカ役の宮村優子さんではなく、ヒカリ役の岩男潤子さんが声を当てていると言われています。
何故んこんなことが起こってしまったのかというと、おそらくは、録音の漏れなどといった理由から、臨時でバレないように岩男潤子さんが声を当てたのではないかと考えられています。非常に珍しいシーンです。
洞木ヒカリの声優は?
洞木ヒカリの声優は、岩男潤子さんが担当されています。生年月日は1970年2月18日となっています。
この誕生日というのは、実は洞木ヒカリと同じになっています。エヴァンゲリオンの登場人物の殆どは、担当されている声優さんと同じ誕生日に設定されていることが多いようです。
岩男潤子さんは、昔は、いわお潤とか、潤という名前で活動していたこともあるようです。事務所は、蓮に所属しています。出身は大分県の別府市です。
経歴
子供時代から歌手を目指していた岩男潤子さんは、13歳のときに別府から上京を果たしています。
当時は、歌手を目指していたため、アイドルグループに所属していました。橋幸夫がプロデュースした『セイントフォー』という名前のアイドルグループで、その当時はいわお潤と名乗っていました。
岩男潤子さんは、このグループが解散する前に脱退しています。その後、岩男潤子さんは、潤という名前で歌手として活動を続けていました。
当時は高校に通学しながら、アルバイトを掛け持ちし、デモテープをレコード会社に送り続けるといったことを繰り返していました。
ミュージカルや童謡歌手などといった仕事を担当されたこともありましたが、うまくいかず、一時期は芸能界を引退しようと考えたこともあったそうです。
しかし、歌手という目標を叶えるために、声優になり、主題歌を歌おうと新たに目標を設定することになります。
岩男潤子さんの出演作品
努力の甲斐あって、岩男潤子さんはアニメ『モンタナ・ジョーンズ』に出演することが叶い、そのアニメのイメージソングである『シャッターチャンスの連続』で歌手デビューすることとなりました。
その歌唱力は、セガサターンのゲーム版であるエヴァンゲリオンの作品内にて、いかんなく発揮されています。他にも、岩男潤子さんはアニメソングをカバーしたアルバムである『Anison A to Z』をリリースされています。
このアルバムには、『化物語』や『マクロスF』、『カードキャプラーさくら』や」『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の作中に登場する曲の他、エヴァンゲリオンの『魂のルフラン』も収録されています。
ここでも、歌手としての岩男潤子さんの一面を見ることが出来ます。
岩男潤子さんは、エヴァンゲリオンの洞木ヒカリ役だけではなく、『魔法少女まどか☆マギカ』の早乙女和子役の役や、『カードキャプターさくら』の大道寺知世役、『パーフェクトブルー』の霧越未麻役、などを担当されています。
ゲームにもモデルとして登場
セガサターンで発売された『新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression』では、岩男潤子さんの容姿をモデルとし、黒髪のロングヘアーに眼鏡という容姿の、山岸マユミというゲームオリジナルのキャラクターが登場しています。
父親が国連職員であり、その転勤についてくる形で、2年A組に転校してきたという設定のキャラです。写真と見比べてみるとわかるのですが、たしかにマユミと岩男潤子さんは似ています。本が好きで、徐々にシンジに好意を持つようになる、という設定のキャラクターのようです。
そんな岩男潤子さんですが、長年、気管支炎を患っていたことで知られています。
2015年には、病状の悪化に伴い、3月に予定されていたイベントやライブを中止したり延期したりしています。そのときの岩男潤子さんは、声を出すのもつらい、という状況に追い込まれてしまっていたようです。