ワンピースの世界においてルフィ達が生きる”大海賊時代”から約900年前。
その900年前から800年前までの間がすっぽりと抜け落ちてしまっている歴史の空白期間が『空白の100年』と言われています。
そして、その空白の時代を記したとされる碑石「ポーネグリフ」を解読することを世界政府は固く禁じており、その禁忌を破りポーネグリフを研究していたニコ・ロビンの母:ニコ・オルビアは投獄されました。
更には彼女と彼女の故郷であるオハラはポーネグリフ解読の罪により、世界政府が差し向けた海軍の『バスターコール」により滅んでしまいます。
その際にも、全くの無関係であったオハラの島民を乗せた避難船を全滅させたり、バスターコールの唯一の生き残りである8歳のニコ・ロビンに法外な懸賞金を掛ける等、徹底した『空白の100年』に関する情報を外に漏らさないようにという意図のあるもみ消しにも見えます。
連載中で判明している事
・800年前が明ける前にある巨大で栄えた王国が滅びた事
・そして滅びたのと同時に世界政府が発足された事
・世界政府を設立したのは世界中にいた20人の王であり、その子孫が天竜人である事
・その滅びた王国の情報だけは執拗にかき消されている事
・真相を消される事を恐れた王国の人々がポーネグリフを残した事
・そのポーネグリフには、真の歴史と世界を滅ぼす事のできる古代兵器について記されている事
・ポーネグリフに記されている古代文字を扱える事
・ジョンボーイという900年前に存在した人間が人魚姫に宛てた謝罪のポーネグリフを送っている事
・そしてポーネグリフのあった古代都市シャンドラも800年前に滅んでいる事等
未だに真相は分からない「空白の100年」ですが、頂上決戦での白ひげと海軍元帥センゴクの会話や白ひげの回想。
古代文字を読み解ける海賊王と共に世界を廻った冥王レイリー、ドレスローザにいた小人族トンタッタ族長の語るドフラミンゴ一族との900年前の因縁等、現在も作中の至るところで様々な情報が出てきます。
世界政府が意地になってでもひた隠し、世界中を巻き込んだ闘いになると白ひげが語った、空白の100年の真実とは一体なんなのか?
作中に点在する伏線を交えて考察していきたいと思います。
世界中に点在するポーネグリフとは?
ポーネグリフ(歴史の本文)は難解な古代文字で記されており、爆破しようとも傷一つつかない程の硬度を誇る特殊な石碑です。
前述した通り、調査すること自体が大罪となってしまうポーネグリフ、結果としてロビンは故郷と母を失い、自らは賞金首になってしまいます。
また、石碑には世界を滅ぼすほどの強力な古代兵器の情報を持つ石碑とその情報を持つ石碑の位置を示す石碑の2種類に分かれています。
ポーネグリフの番人
また、アラバスタ王国やシャンドラの民の様に世界各地に点在するポーネグリフを守る番人が存在します。
この番人ですが、アラバスタ王国とシャンドラの民の立ち位置は全く真逆の様に思われます。
アラバスタ王国は世界政府樹立の時の20の王国の一つですから、アラバスタは空白の100年が発覚する事を防ぎ800年前にポーネグリフを記した大国が滅んだ時に同じく滅んだシャンドラは恐らく真実を隠そうとする者からポーネグリフを守ったのだと思われます。
リオ・ポーネグリフ
そして全ての情報を持つポーネグリフを繋ぎ合わせることで隠された空白の100年の真実が記された「リオ・ポーネグリフ(真の歴史の本文)」が完成する事。
そしてそのすべてのポーネグリフを繋げた文を海賊王ゴールド・ロジャーが最果ての地「ラフテル」に持っていった事が分かっています。
このリオ・ポーネグリフについては詳しい情報は少なく、繋ぎ合せるとはどういった事なのか、全ての石碑を読み解くと最後のポーネグリフの文字が変わるのでは?と言った憶測などもあります。
また、最果ての地「ラフテル」への道を示すと言われる赤いポーネグリフ、ロードポーネグリフが新たに登場しました。
ロードポーネグリフ
・世界中に4つ存在する事
・内容はある位置を示している事
・全てのロードポーネグリフの指し示す位置を繋ぎ合わせた中心点が最果ての地「ラフテル」である事
・一つは1000年生き続ける巨大な象の背中にある幻の国、一つは四皇百獣のカイドウ、一つは同じく四皇ビッグマムが所持している事
・そしてもう一つは所在が分からない事が分かっています。
考察1 空白の100年に存在したその王国の名は?
かつて巨大な力を持ち栄えた王国、空白の100年に存在したその王国の名は、未だに不明です。
ドォン説
世界政府に地震の研究結果を報告していたクローバー博士もその王国の名を言おうとしたところで政府の役人に撃たれてしまいました。
その王国の名に関してはその時の発砲音にかけてドォンでは無いかという憶測もあるようです。
まず、作中にもルフィが住んでいたゴア王国がドーンという島であった事が紹介されていた事、第一話と六百一話のタイトルに夜明けを意味する『DAWN』が出て来ている事が挙げられています。
しかし、かつての王国に関する情報がかき消されている事を考えると同じ名前の島がある事は考えにくいと思われます。
ラフテル説
次に挙げられているのが、最果ての地「ラフテル」では無いかとという意見です。
やはりストーリーの根幹でもある事や、誰も到達できず見た事もないという世界政府が秘匿したい条件にも重なる事かつての王国の人々が残したポーネグリフの一つ「ロード・ポーネグリフ」によって唯一たどり着ける事が理由に挙げられています。
ビルカ説
さらに面白いのは、かつての王国の人間が月の住人だったのでは?という説もあります。
ワンピースの扉絵のサブストーリーに出てきた月の都「ビルカ」は空島で対峙したエネルの故郷の名前でもあります。
かつて高度な文明で繁栄してきた月の住民は、その高度な文明力を活かして古代兵器を開発した事や、月の古代都市の壁画に書かれている文字がポーネグリフに酷似しています。
さらに、カームベルトや世界を4つに分けたグランドラインも月の住人の技術によるものであり、最果ての地「ラフテル」はそのカームベルトやグランドライン全てを消滅させ、世界中がひとつになった元々の姿に戻るための古代兵器等といった推測も存在するようです。
考察2 世界政府はなぜ隠そうとするのか?
世界政府はポーネグリフを解読することを禁止しています。
事実、ポーネグリフや空白の100年を調査していたニコ・ロビンの母オルビアや故郷オハラは政府によって滅ぼされ、唯一古代文字の読めるニコ・ロビンは幼い時から懸賞金を掛けられています。
世界政府はポートグリフを解読することで世界を混乱させる古代兵器の復活を止める為と理由をつけています。
しかし、王国の存在すら歴史からかき消した事やクローバー博士の発言から想像するに、世界政府にとって都合の悪い情報がある事によるものだとする推測が多数を占めています。
現在の考察の主流
多くある考察の殆どで、かつて栄えた巨大な力を持つ王国のある思想を危険視して、20人の王が王国を滅ぼし、王達にとって不都合なその思想が世界に広まるのを恐れて、世界を統治・監視する為に世界政府を樹立したという説が占めています。
そして、その世界政府が隠したかった「その思想」というのが、「自由」である事。
トンタッタ族の900年前のドフラミンゴとの因縁や、魚人族・人魚族への迫害・奴隷の話、2年前にロビンが最初に飛ばされた800年続く巨大な橋作り、人間屋で出てきたオークションリストの対象にあった世界政府非加盟国の人間等、空白の100年の前後では確実にある種の人間が奴隷を使役していることが分かります。
古代兵器の関わり
現在、古代兵器に関してはウラヌス、プルトン、ポセイドンと三種類が存在する事が分かっています。
この古代兵器の考察においても前述の亜人種族への迫害の話が少し関わってきます。
ポセイドン
古代兵器ポセイドンは海王類という巨大な海中生物を操る事が出来るという人魚姫の能力を指している事が分かっています。
しかし、これは迫害されていた人魚族が世界政府の元になった20ヶ国に対抗する為の物だったと考えられます。
プルトン
また、一発で島一つを吹き飛ばしてしまう戦艦プルトンに関するポーネグリフは、20ヶ国の一つアラバスタ王国に存在しました。
しかし、アラバスタ王国は世界政府加盟国ではありますが、世界政府創立の子孫「天竜人」ではありません。
これはアラバスタが戦争には参加したが、他の国に対して疑問を持っていた為、滅亡した大国から好意的に見られていたのでは?という風にも考えられます。
ウラヌス
そして、最後に残ったウラヌスに関しては作中においてまだ名前しかわかっていません。
しかし、ウラヌスに関する1説が話題になっています。それはウラヌス=ナミであるという憶測がたっていることです。
そもそも古代兵器の名前が全てギリシャ神話の神の名前であり、ウラヌスは天候を操る神である事、古代兵器とは言われているがポセイドンは亜人である人魚姫であった事、ナミの出生に関しては全くの不明である事等が根拠に挙げられています。
考察3 空白の100年に『D』の一族は関係するのか?
最後にワンピースの作中に度々出てくる『D』に関する情報です。
Dの名前を持つ人間はルフィだけでなく、海賊や巨人族、海軍にもその名前を持った人間が存在しています。
また、死の外科医トラガルファー・ローも同じDを持ち、恩人であったドフラミンゴの弟であるコラソンから「『Dの一族』はある地域で神の天敵と言われている」と教えられました。
ここで出てくる神はおそらく天竜人だと考えられます。というのも、マリージョアでは悪さをする子供を諭す時に”ディー”に食べられるぞと諭していたと情報が出てきている為、神=天竜人である事は確かだと考えられます。
なぜ天竜人はDを嫌うのか?
かつての滅んだ大国の一族であったという説が有力視されています。
また、天竜人はかつて奴隷を使役した20の王国の子孫であり、現在の世界においても奴隷を使役しています。
また、上記したかつての大国が「自由」の思想を打ち立てていた場合、天竜人にとって危険極まる天敵となる訳です。
事実、作中でルフィや黒ひげ等『D』の名を持つ人間の多くは「自由」を基に行動を決定しています。
他にも『D』は嵐を呼ぶ、『D』は数百年の歴史を背負う等、根拠となり得る情報が作中に点在しています。
これまでの情報を繋ぎ合わせると・・・
かつて強大な力を持つ『D』の国は自由である事を思想に掲げ、迫害や奴隷として扱われてきた種族や人々と共に繁栄してきた。
しかし、奴隷を使役している20の大国にとっては、その思想が世界中に広まる事を恐れ、『D』の国に戦争を仕掛けた。
『D』の国は、奴隷にされてきた人種である魚人族やトンタッタ族、シャンドラの様なその他の国々と共に戦い続けたが、遂には負けてしまう。
20の大国の王は、『自由』の思想が再び、わき起こる事を恐れ、監視・統治するために世界政府を樹立、19人の王はマリージョアに集まり天竜人となった。
滅びた『D』の国の人々は、
・自分達の思想を後世に伝える為に「リオ・ポーネグリフ」
・世界政府との戦いに備えて古代兵器の在り処を示した「ポーネグリフ」
・『D』の子孫がかつての国に戻れる為に「ロードポーネグリ」
を世界中にばらまき、残った人々も各地へ散っていった。
如何でしょうか?これが各人の考察をまとめた『空白の100年』かと思います。
まだまだ、ラフテルの本当の姿や古代兵器ウラヌスの実態は不明のままですが、もしこれら全てが真実であれば、古代文字の読めるロビン・古代兵器プルトンの設計図を持つフランキー・古代兵器ポセイドンと呼ばれるしらほし姫・ウラヌス説が高いナミと、今ルフィは『D』の意志に最も近い人物かもしれませんね。