L.C.Lとは新世紀エヴァンゲリオンでパイロットがエヴァンゲリオンに乗る際に使うエントリープラグの内部を満たしている液体のことです。
L.C.Lは「Link Connected Liquid」の略であり、日本語に戻すと「同調接続用液体」という意味になるそうです。
また、一説にはL.C.Lはリリスの液体とされており、ここでのLは「Lilith」の略ではないかとされています。
劇場版では生命のスープそのものであることが明らかにされました。作中ではターミナルドグマで生産されています。
パイロットの操縦時
パイロットがエヴァンゲリオンを操縦している時には透明ですが、もともとの色はオレンジがかっています。
これは完全にパイロットとエヴァンゲリオンが神経伝達を完了すると透明になるようです。
同調接続用液体と呼ばれることからもわかるように、パイロットとエヴァンゲリオンを接続する重要な役割を果たしているようです。
液体ではありますが、サラサラとした液体ではなく粘着質な液体のようです。エントリープラグ内の循環装置でろ過されることによりきれいな状態を保っているようです。
もし、ろ過がおこなわれなくなってしまえば、老廃物がたまっていってしまいます。
L.C.Lの仕組み
L.C.Lがパイロットとエヴァンゲリオンを接続する原理としては、パイロットがエヴァンゲリオンに乗った後に電荷されることにより、分子配列を変化させ、その結果としてL.C.Lはパイロットとエヴァンゲリオンを接続することとなる。
新劇場版でマリがシンジと会った時に「L.C.Lの匂いがする」と言ったことからもわかるように匂いがないわけではなく、後述するように羊水に似ているために血液っぽい匂いが少しするようです。
マリとシンジが出会った時シンジは直前にエヴァンゲリオンに乗っていたわけではないので、もしかするとシンジをはじめとするパイロットたちはL.C.Lの匂いが肌についてしまっているのかもしれません。
その他の人物が作中でL.C.Lの匂いについて言及している場面はないのでそれほど気にはならないようです。
L.C.L中で呼吸が可能
L.C.Lには酸素が含まれているため、エヴァンゲリオンに乗っているパイロットはL.C.L内の酸素を直接取り込むため、エントリープラグ内でも呼吸をすることが可能となります。
この際、L.C.Lは肺の中を満たしている状態となっています。エントリープラグ内をL.C.Lで満たす理由としてはいくつかあります。
例えば、神経接続を行う際には必要不可欠とされており、パイロットとエヴァンゲリオンのシンクロ率が低ければエヴァンゲリオンの十分な性能を引き出すことができません。
緩衝材の役割も
また、パイロットを衝撃やダメージから保護する役割も果たしています。エヴァンゲリオンに乗ることができるパイロットの数が少ないので、パイロットをダメージから保護することは重要であると考えることができます。
エントリープラグ内を満たしているL.C.Lの純度は限りなく100パーセントに近いとされています。
もし、このエントリープラグ内を満たしているL.C.Lの純度が低ければ、パイロットとエヴァンゲリオンのシンクロ率にも悪影響を与えるかもしれない上に、パイロットを衝撃やダメージから保護することができないかもしれません。
L.C.Lの精神汚染に対する防御効果
これはエヴァンゲリオンという兵器が元来持つ精神汚染の危険性からパイロットを保護することや、使徒からの精神攻撃を予想していた為とも考えられている。
肺の中に入ったL.C.Lはどうなる?
では、肺の中に入ったL.C.Lはエヴァンゲリオンを降りた後にどうしているのでしょうか。
これには様々な説がありますが、いくつか紹介したいと思います。
・降りるたびに毎回吐いている。
・降りた際に勝手に肺の中から蒸発をする。
・エントリープラグに肺の中からL.C.Lを取り除く装置がついている
などがあげられますが現在のところはっきりとしたことはわからないようです。
このL.C.Lで肺を満たすことにより酸素を取り入れることと似たような技術は現実の世界でも研究されています。このように液体を肺に取り込み呼吸をすることを液体呼吸と呼ばれています。
L.C.Lはリリスの液体(生命のスープ)
L.C.Lはリリスの液体とされていますが、設定ではリリスは人類の祖先なので、人類との相性が良いようです。
成分としては人間の羊水に近いそうです。この成分が羊水に近いという部分はリリスが人類の祖先であり、いわば人類の母であることが関係しているかもしれません。
L.C.Lを通してパイロットとエヴァンゲリオンは神経接続しているのですが、パイロットとエヴァンゲリオンのシンクロ率が異常に高くなってしまうと、パイロットとエヴァンゲリオンが融合してしまい、パイロットはL.C.Lに溶けてしまいます。
L.C.L化
このことをパイロットのL.C.L化といい、この状態になってしまったパイロットの救出は困難となります。
作中ではシンジとシンジの母親であるユイがこの状態になってしまいました。作中ではなんとかシンジは救出できましたが、ユイの救出には失敗しました。
このL.C.L化してしまった状態から再び人間の形を形成して、その肉体に精神を定着させる作業のことを「サルベージ」と言います。
また、旧劇場版「Air/まごころを、君に」ではL.C.Lは生命のスープとされています。このことからL.C.Lは人間の生命そのものであると考えられます。
L.C.Lと人類補完計画
人間の世界では、他人とは交わらない一線、つまり、境界線が存在しており、これによって自分と他人とが存在することになります。
この境界線のことをATフィールド呼びます。このATフィールドを取り払うことにより、壁のない世界、すべてがひとつになっている世界、生命が地球上に存在する前の本来の状態にしようとします。
これはゼーレが目指している人類の補完、人類のあるべき姿へ戻ろうということに繋がります。このことを人類補完計画と言い、生命のスープへの還元、ひいては、L.C.Lへの還元ということになります。
L.C.Lに還元されると自分と他人との壁がなくなります。この境界線がなくなることにより、他人との距離感が取り払われます。
このことによって自分が他人に嫌われることや、自分が必要のない存在ということへの恐怖がなくなります。
旧劇場版「Air/まごころを、君に」
「Air/まごころを、君に」では登場人物がL.C.L化されていくときの様子から見るにL.C.L化される際には、そのL.C.L化される人物の想い人が現れるようです。
しかし、好きな人がいない場合、だれにも興味がない場合には綾波レイが現れるようです。
好きな人が現れる理由としては好きな人と接することにより、心の壁が取り払われ、その結果として、ATフィールドがなくなるからのようです。
ATフィールドとL.C.Lとの関係を例えるのならば、ATフィールドは容器でL.C.Lがその中身だとされています。
つまり、ATフィールドがコップでL.C.Lがそのコップの中に入っている液体ということです。
このことから心の壁(ATフィールド)がなくなってしまうことにより、人間としての形を保持することが不可能になってしまいL.C.L化してしまうこととなります。
旧劇場版のラスト
旧劇場版では最終的にはサードインパクトの影響で地球全域にアンチATフィールドが発生し、シンジとアスカ以外の全人類はATフィールドを失うことによりL.C.Lに戻ってしまいます。
シンジとアスカがL.C.Lに戻らなかった理由としてシンジはみんなが一つになる世界は自分が思い描いたのと違う感じました。
そのため、世界の波に飲まれることを拒否した結果としてL.C.Lに戻らず、アスカはシンジと一つになることは絶対に嫌と強い拒否を示したのです。
自分の形を認識することができ結果としてL.C.Lに戻らなかったようです。L.C.Lは生命の源であり、様々な役割を持っています。