空に浮かぶ「神の国」スカイピアで神と呼ばれている男で、通称「神(ゴッド)エネル」。
自分を神だと称し、スカイピアの人々を力と恐怖で支配しています。自分は神の座についているから神なのではなく、全能であるから神であると思っており、位ではなく本当の神であると思っています。
エネルの特徴
頭に布のキャップをかぶり、背中に太鼓を付け、上半身裸でいるのが平常時の姿です。髪型はパンチパーマ、耳たぶは胸まであるほど長く、色白で、筋肉質な体をしています。
「のの様棒」という棒の武器を持っています。笑い方は「ヤハハハ」で口癖は「〜〜じゃあないか」です。果物をよく食べており、芯まで食べます。
1人称は基本的に「私」ですが、時折「俺」になります。神の島アッパーヤードに住み人前に姿を現すことはありません。
性格は自信家で自分の力に絶対的な自信があります。また非常に残忍で人を殺すことに躊躇せず、例え自分の味方であっても平気で手をかけます。
6年前、自分の故郷のビルカ島を消滅させ、そこから手下である神官や神兵を引き連れ、スカイピアを侵略し、当時の神の座についていたガン・フォールやその部下の神隊、先住民であるシャンディア達に勝利し、スカイピアを完全に乗っ取りました。
その後ガン・フォールの神隊は全てエネルの下で働くこととなりました。
エネルの悪魔の実の能力
ロビン曰く「無敵と謳われる」自然系悪魔の実「ゴロゴロの実」の能力者で、雷を自在に操り、自身が雷そのものとなっている雷人間です。
雷のスピードで移動ができ、相手がエネルに触れると感電します。電波を読み取り、遠くの人間の会話を聞くことが可能で、心肺蘇生のための、電気ショックでの心臓マッサージも可能です。
見聞色の覇気「心網(マントラ)」
また「心網(マントラ)」と呼ばれる超能力の使い手で、相手の心を読み行動の先読みが可能です。
これは呼び方は違いますが「覇気」の一種である「見聞色」の覇気であります。見聞色の覇気の使い手は何人かいますが、エネルは効果の範囲が桁外れに広く、スカイピアの国全域におよびます。
さらに、優れた棒術の使い手で身体能力も高く、頭も良く適応能力も高いため、悪魔の実の能力抜きでも高い戦闘能力をほこります。
エネルの手下には4人の神官、1人の神兵長、2人の副神兵長、50人の神兵がいます。エネルは手下のことを何とも思っておらず、手下がやられても何の感情も持ちませんでした。
エネルが訪問者に課す試練
エネルの命令により、スカイピアに訪れた者はスカイピアの住人によって無理やり罪人に仕立て上げられ、一部がアッパーヤードの生贄の祭壇に連れて行かれ、もう一部が連れて行かれた仲間を取り戻すため「試練」を受けることになります。
スカイピアの住民に罪の意識はありますが、住民達は常に心網で見張られており、逆らえば神の裁きの雷が降ってくるので、従うしかありません。
住民に罪の意識を持たせ、心を弱らせるのもエネルの狙いでもあります。
エネルが再登場する?
扉絵連載でエネルのその後が描かれています。
「限りない大地(フェアリーバース)」である月に到着したエネルは、クレーターから気配を感じ、中に入ると武装したラッコのような小さな人間(?)が倒れており、ひとまず電撃で攻撃しました。
すると敬礼しながら起き上がり何かを探し始めます(この時点でスペーシー中尉という名前が明らかになりました)。
するとスペーシー中尉と同じ種族と見られる仲間らしき者達が数名倒れており、スペーシー中尉は号泣しました。
そこにが後ろから忍び寄り、スペーシー中尉を槍で突き刺しました。刺した者の正体は宇宙海賊で、エネルにも槍を突き刺します。
もちろんエネルには効かず、逆にエネルが返り討ちにします。すると突然近くで大爆発が起きました。
月をすでに自分の物だと思っているエネルは激怒し、爆発現場に向かいます。そこには月遺跡発掘計画を実行中の、宇宙海賊と学者の姿がありました。
一方その頃スペーシー中尉は走馬灯を見ており、これまでのことを思い返していました。自分がカラクリ島でロボットとして作られたこと。
生みの親の月見が大好きなツキミ博士と月見をした時、突然月が爆発し、月見だんごが喉に詰まったツキミ博士が死亡したこと。
月の爆発の原因を調べるため、仲間達と月へ来たこと。そこに宇宙海賊がおり、ツキミ博士の仇を討つため、戦いを挑んだが敗戦したこと。
そして今に至ります。スペーシー中尉は、悔しさのあまりまた号泣していました。すると、エネルがあっという間に宇宙海賊達を蹴散らし、全滅させました。
博士の仇のお礼を言いたいというスペーシー中尉。それに対しエネルは、とりあえず電撃で攻撃をお見舞いします。その後エネルは宇宙海賊が掘り当てたものを見に行きます。
すると月の地下に繋がる通路があり、そこを進むと地下に眠る都市が存在しました。エネルはその都市にとりあえず電撃で攻撃します。
すると都市のエネルギーが充電完了状態となり、スペーシー中尉達に似た無数のロボット達が動き出しました(この時スペーシー中尉達もいつの間にかエネルの横にいました)。
この都市には壁画があり、そこには太鼓の昔翼を持った月の人が住んでいたが、資源不足のため青い星に移住したことや、月の都市の名前が、エネルの故郷と同じ”ビルカ”であることが描かれていました。
エネルはそれを見た後、月の地上に戻りました。振り返ってみると忠誠を誓う無数のロボットとスペーシー中尉達がいました。
こうして月ではエネル軍団が結成され、今後、エネルが本編に再登場するのではないかといわれています。
エネルのネタバレ
エネルは、土には土の人には人の神には神の還る場所があると考えており、最終目的は「還幸」です。
その実体は空に浮かぶ大地や住んでいる人を青海に落とし、自分は故郷のビルカに伝わる、限りない大地(フェアリーバース)に神は存在するという言い伝え通り、フェアリーバースである月に行き神の国を建設することです。
そのために必要な空飛ぶ巨大な方舟「マクシム」を、神隊650人に6年かけて、無理やり作らせました。
ちょうどマクシムが完成した頃、麦わらの一味がスカイピアに入国し、試練を突破した後、アッパーヤードに眠るお宝を狙います。
さらに同日、シャンディアがエネルを倒すためアッパーヤードへ進軍し、神の軍団、シャンディア、麦わらの一味の三つ巴のサバイバルとなります。
エネルはこのサバイバルで、最後まで立っていられるのは、自分を含め合計5人だと予言し、そのメンバーをマクシムに乗せ、一緒にフェアリーバースへ行こうと目論みました。
サバイバルの末、エネルの予言通り残り5人となりましたが、マクシムに乗るのを拒否し、エネルに襲い掛かります。
エネルはこれを一掃し、残ったナミだけがマクシムに乗りました。そして飛び立ったその時ルフィが現れ、エネルと戦います。
雷が効かないゴム人間に苦戦しますが、ルフィの体に黄金を付け、空から落とし、退けます。そしてエネルはスカイピアを青海に落とすため雷迎を作ります。
手始めに小さな雷迎で、スカイピアの一般人が住む「エンジェル島」を消滅させました。そしてスカイピアを落とす巨大な雷迎を作り終え、放ちます。
しかしこれをルフィが「ゴムゴムの黄金牡丹」により完全に消滅させ、そのままエネルと再び対戦します。戦いの末「ゴムゴムの黄金回転弾」によりエネルは敗北。
マクシムは空から落ち、スカイピアに平和が訪れました。その後、エネルは人知れずマクシムを再稼動させ、再び空に浮かぶフェアリーバースへ向かいました。
エネルの名シーンと名セリフ
エネルの名シーンといえば、ルフィ戦の驚き顔が大反響を受けております。
ルフィと対峙したエネルはいつも通り電撃をルフィに放ちます。しかしルフィは「ゴムゴムの実」の能力者で全身ゴム人間のため、電気を通さず全くの無傷です。
無傷のルフィを見て、上手く電撃をかわしたと思ったエネルは、今度は確実に電撃を当てます。それでももちろん無傷のルフィ。
確実に当たったにもかかわらず無傷のルフィを見て、常に圧勝してきた無敵の雷の能力が効かないことがわかり、衝撃のあまり1ページをまるまる使って驚き顔を見せます。
目は飛び出し、鼻水をたらし、口は顔の半分以上開き、普段のクールなエネルからは想像もつかない顔から衝撃の大きさがうかがえ、このシーンはワンピース史に残るシーンとなっています。
その後エネルは、自分の電撃がルフィに効かなくとも、ルフィの攻撃も自分にはすり抜けて効かない、と冷静さを取り戻します。
しかしルフィの攻撃はエネルにしっかり当たります。エネルは今度は無表情で、謎の解けぬまま、ルフィはこの世で唯一の自分の天敵だと悟りました。
そしてエネルの名セリフといえば、
「”恐怖”こそが”神”なのだ。」
が人気が高いです。
エネルはガン・フォール、ロビン、ゾロ、ワイパーと対峙します。エネルの所業に怒りを燃やすガン・フォールは、
「思い上がるなエネル!人の生きるこの世界に神などおらぬ!」
と言い放ちます。それに対しエネルは、ガン・フォールがいつも心配していた神隊を全て葬ったと告げ、さらに怒りに火をつけます。
激昂しながら襲い掛かるガン・フォールを返り討ちにし、
「ガン・フォール。この世に神はいる。私だ。」
と言いました。その後エネルはロビンも倒し、斬りかかるゾロを圧倒し
「人は古来より理解できぬ恐怖を全て”神”とおきかえ恐さから逃げてきた。もはや勝てぬと全人類が諦めた”天災”そのものが私なのだ。」
と言いました。そこにワイパーがエネルに飛びかかります。するとエネルの力がぬけ、エネルに触れられるようになりました。
これはワイパーの秘策で、靴に悪魔の実の能力者の力を封じる「海楼石」を仕込んでいたのです。エネルの雷の能力を封じ無力化し、衝撃貝の10倍の威力をほこる「排撃貝(リジェクトダイヤル)」を使いエネルの息の根を止めました。
エネルは死んだ、と、その場にいた全員が思ったその時、エネルは自分の心肺を電気ショックでマッサージし、蘇生します。そしてエネルはこう言いました。
「人は神を恐れるのではない。”恐怖”こそが”神”なのだ。」
と。まさに言葉通りの恐怖を抱かせ、絶望感溢れるセリフでした。
エネルのうんちく
単行本の質問コーナーに、「エネルが青海に降りてきたら懸賞金はいくらぐらいか?天下はとれるのか?」という質問が寄せられ、原作者の尾田栄一郎は「懸賞金は5億ベリー以上はかたい。
ルフィはゴムで運が良かった。しかし青海にはエネル以上に強い奴らがいるので天下はとれない」と答えています。
ちなみに作中で金額が明らかになっている懸賞金の最高額は、エースの5億5000万ベリーで、その次がエネルとなります。
エネルが倒した麦わらの一味は、ゾロ、サンジ、ロビン、ウソップと、かなり多いです。さらにワイパー、ラキ、カマキリ、ガン・フォール、パガヤ、シャンディア多数、神隊650人、メインキャラからモブキャラまでとんでもない数のキャラを一人で倒しました。
しかし死亡した描写のあるキャラは一人もいません。エネルが「好きで葬ったわけではない。家族も同じ場所に送ってやらねば。」と殺害を明確に示唆した神隊も生きていました。
放電(ヴァーリー)の技名の由来は、尾田栄一郎曰く「雷がヴァリヴァリ鳴るから」です。
エネルの必殺技
・放電(ヴァーリー)………手から電撃を放電します。最大出力は2億V(ボルト)です。
・神の裁き(エル・トール)………巨大な雷を放ちます。円柱形をしています。遠く離れた場所にも雲さえあれば、そこから放つことができます。主にスカイピアの罪人に使う技です。
・稲妻(サンゴ)………腕を雷に変え巨大化させ攻撃します。サンゴ礁の形をしています。
・電光(カリ)………全身から電熱を放ちます。丸い形をしています。
・3000万V雷鳥(ヒノ)………右肩近くの太鼓を叩き、雷に変えて電撃を放ちます。鳥のような形をしています。
・3000万V雷獣(キテン)………左肩近くの太鼓を叩き、雷に変えて電撃を放ちます。狼のような形をしています。
・6000万V雷龍(ジャムブウル)………頭の上にある2つの太鼓を叩き、雷に変えて電撃を放ちます。龍の形をしています。
・雷治金(グロームパドリング)………金に電熱を流し込み熔解させて自在に形を変えます。また、のの様棒を電熱を帯びる矛に変えます。
・万雷(ママラガン)………マクシムの作り出した雷雲から無数の神の裁きを放ちます。
・雷迎(らいごう)………マクシムの作り出した雷雲を巨大な黒い球にして落とし、内部に蓄えた幕放電を一気に解放させ放電します。
・2億V・雷神(アマル)………全身から電撃を放出し、自身が巨大化します。雷神のような姿になります。