「ONE PIECE(以下ワンピース)」ではあらゆる海賊達が世界の海を冒険していますが、やはり海賊という文字は「海の賊」ですので時には一般市民を巻き込んだ略奪をする海賊だっています
そんな一般市民を守るのが政府直属の軍隊でもある「海軍」であり、その中でも最も最高位にいる元帥の1つ下であり、海軍中将の1個上の階級である海軍大将とよばれる海軍にとって最高の戦力と呼べる存在がいます。
現在のワンピースの2年前の大将には「赤犬 サカズキ」「黄猿 ボルサリーノ」、そして「青雉 クザン」がおり、全員が自然系の悪魔の実の能力者であり、その実力は一人軍隊と呼べるほどの力を持っています。
その中でもクザンは自然系の悪魔の実「ヒエヒエの実」によって周囲や自分を一瞬で凍らせる事ができる「氷結人間」ですが、他の大将と違って異なった価値観をしており、後に海軍大将を辞めて放浪の旅に出かけるなど不可解な部分が多いキャラクターでもあります。
声優
アニメやゲーム作品の「ワンピース」では、クザンの声を「子安 武人(こやす たけひと)」さんが担当しています。
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「青キジ」クザンの能力「ヒエヒエの実」
海軍にも悪魔の実を食べて能力者となった人物にスモーカーやヒナ等のキャラクターを見ると何人かおり、基本的に悪魔の実の能力者は高い地位にいる事がほとんどです。
特に海軍大将は最強ともよべる自然系悪魔の実を食べた能力者であり、青キジことクザンも自然系の悪魔の実「ヒエヒエの実」の能力者です。
ヒエヒエの実の力は単純に言えば「自分や敵、周囲を一瞬で凍らせる」という能力です。
再生能力
自然系悪魔の実に共通する事として、武装色の覇気を纏っている武器で無い限りは一般的な刀や銃といった普通の武器攻撃は一切通用せず、ダメージどころか足止めすらできません。
クザンのヒエヒエの実は氷の特性ゆえにボルサリーノやサカズキのように受け流す事ができないのですが、攻撃を受けて砕けた身体は氷のままであるため、破片を結合することで他の自然系悪魔の実の能力者のように再生する事ができます。
攻撃方法
相手を一瞬で凍らせて行動不能にするだけでなく、凍りついた敵をそのまま砕く事で攻撃にも転ずる事ができます(凍った状態でまともに砕かれれば即死)。
相手を凍らせる速度は恐ろしいほど速く、人間であれば一瞬、巨人族であっても数秒あれば氷漬けにするほどの速さとなっている。
また、相手を直接凍らせるだけでなく氷で作った刀による近接戦闘や、アイス塊(ブロック) によって作り出される巨大な雉「フェザントベック」などの遠距離攻撃も可能で応用が非常に効来ます。
さらに掌から冷気をまとった弾丸を発射する「アイスタイムカプセル」は遠くにいる相手も凍らせる事ができる。
その他応用
自分や相手だけではなく、海を広範囲にわたって凍らせる事ができる「氷河時代(アイス・エイジ)」という技もある。
トンジットが島を渡る時やマリンフォード頂上戦争では海を凍らせて足場を作ったり、ルフィを抱えて逃げるジンベエが海に逃げないように海を凍らせて足止めをするのにも使った。
さらに海を凍らせる事によって悪魔の実を食べた能力者全員の弱点である「海に落ちると泳げなくなる」という弱点も克服する事が可能となっているだけなく、海を凍らせる事で船を使わずに移動ができる。
実際に海を凍らせながら自転車で旅をする事が出来るぐらいに凍らせる速さと氷の強度は高い。
青キジ「クザン」の初登場
クザンが初登場したのはウォーターセブンに向かう前の島である「ロングリングロングランド」でした。
フォクシー海賊団とのデービーバックファイトが終わった後にトンジットへ報告に行くと、トンジットのテントの前に立ったまま寝ていた男がいました。
その男こそが海軍大将である青キジ「クザン」であり、ロビンの過去を知る者でした。
当初はダラケきったクザンに本当に海軍大将か疑わしく思うルフィ達でしたが、クザンの目的はアラバスタ編での騒動の後にロビンの消息を確認しにきただけという事でした。
しかもその後意気投合して、トンジットの移住を手伝う事になります。
しかし、トンジットの馬は怪我をしているので移住は無理でしたが、クザンの能力「ヒエヒエの実」によって丁度現れた巨大な海の怪物ごと水平線の彼方まで凍らせてしまいました。
おかげでトンジットは10年ぶりに海を渡ることができたのです。
クザン VS ルフィ・ゾロ・サンジ
ルフィはクザンから「じいさんそっくり」と言われた瞬間に顔色が変わってしまいます。
それもそのはずで、ルフィの祖父にあたる「モンキー・D・ガープ」は海軍本部の中将であり、通称「ゲンコツのガープ(または「海軍の英雄」)」と呼ばれる人物だったからであり、クザンにとっては恩人でもある人物なのです。
そしてその孫であるルフィを知っていたクザンは何もする気が無かったといっておきながら、唐突に「やっぱお前ら…今死んどくか」と発言します。
ロビンの能力でクラッチを決められたクザンですが、ヒエヒエの実の能力によって砕けた氷が集まって再生してしまいます。
それどころか近くにあった雑草をムシって即席の武器「アイスサーベル」という刀を作り出します。
ロビンに斬りかかるクザンをゾロが食い止め、サンジとルフィが身動きできないクザンに攻撃を仕掛けますが、クザンに触られた部分が凍ってしまったため、ルフィ一味でもトップクラスの戦闘能力を持つルフィ・ゾロ・サンジが瞬く間に無力化されてしまいます。
ルフィとクザンの一騎討ち!
クザンによってロビンが全身を凍らされてしまい、さらに今にも砕かれそうになったロビンをルフィとウソップが助けます。
ウソップとチョッパーにロビンを任せて、ルフィはゾロとサンジにクザンと一騎討ちでやりたいから手を出すなと指示します。
ルフィはただ一人、クザンと戦いますが攻撃が全く通用せず、逆に「アイスタイム」で全身を凍らされてしまいます。
しかし、ルフィにトドメは刺さず、さらにルフィと「一騎討ち」を受けてしまった以上は他のメンバーに手出しをすればヤボと言うことで手を引くと同時に、ロビンをこれから仲間にし続ける事への忠告をします。
そしてルフィを砕こうとしますが、アラバスタでのクロコダイルの一件もあるため、命は取らずに自転車で海を凍らせてそのまま立ち去ります。
結局クザン一人にルフィを始めとするメンバーは誰一人手も足も出ず、海軍大将の強さを見せ付けられます。
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青キジ「クザン」とロビンの過去
クザン再登場と親友サウロ
クザンが再び登場するのはエニエスロビー編でのロビンの過去の回想シーンです。
ロビンは幼少期に西の海(ウエストブルー)にある島「オハラ」に住んでいましたが、ハナハナの実の能力で周囲の島民からは気味悪がられておりました。
しかし、ロビンが通う「全知の樹 オハラ図書館兼考古学研究所」のクローバー博士をはじめとする学者の人達だけはロビンをいつも歓迎してくれておりました。
そしてある日、ロビンは浜辺に漂流していた巨人「ハグワール・D・サウロ」にも出会い、自分の能力を怖がらないサウロに気を許すようになります。
しかし、そんな時にスパンダイン率いるCP9がオハラに向かっており、同時に当時中将だったクザンもまたオハラに向かっておりました。
この時の青雉は今のようなだらけた感じではなく、「燃え上がる正義」を掲げるハキハキとした正義に熱い人物でした。
ところがスパンダインがバスターコールを発動した事で、島に向かって徹底的な砲撃が始まります。ロビンを託されたサウロは途中、クザンの船に見つかってしまいます。
サウロの正体は脱走した海軍中将であり、クザンはロビンを連れて逃げようとするサウロを「アイス塊(ブロック)」を両棘矛(パルチザン)に変えて攻撃します。
サウロはオハラへの攻撃が正しい行為なのか、単なる見せしめではないのか、とクザンに問いかけますが、クザンはやむを得ない事だと割り切ろうとします。
青キジが「だらけきった正義」になるまで
しかし、サウロの問いかけに答えた直後、何とオハラの学者ではないオハラ島民の乗る避難船が突如砲撃を喰らいます。
砲撃したのは当時中将であり、後の海軍大将から元帥になる赤犬「サカズキ」が率いる軍船でした。
サカズキは避難船に学者が乗っていたら今回のバスタコールは意味がなくなると考え、徹底的に疑わしいものを叩き潰します。
さすがにこの行為にはクザンも動揺し、以降はサカズキの考えや理念とは相知れなくなります。
そして最終的にサウロを氷漬けにしてしまいますが、彼の守ったロビンの逃亡を手助けします(ロビンを追いかけようとしたスパンダインの船の舵を凍らせたりもした)。
同時にロビンが何かやらかした時は真っ先に捕らえに行くと警告し、この事からロングリングロングランドでロビンの前に現れたのはアラバスタでの騒動以降、ロビンが何をしているかただ確認しにいっただけというのも納得できる行為といえます。
そして同時にこの一件からハキハキとした性格と「燃え上がる正義」は消え、「燃え上がる正義」は「だらけきった正義」としてクザンのモットーになりました。
青キジが再びロビンの前に
エニエスロビーから脱出した麦わら海賊団を遠くから氷の道と自転車で見守る青キジは、麦わら海賊団とフランキーの仲間の脱出を見て「我々の完敗だ」と言い、麦わら海賊団とフランキーの仲間への海軍による追撃を取りやめさせます。
そしてルフィの元へルフィの祖父でもあり、海軍の英雄「拳骨のガープ」がかつての友であるコビーとその腐れ縁のヘルメッポを連れてやってきます。
彼らが帰った後にサンジが水水肉で焼いた焼肉をフランキー一家やガレーラカンパニーを含めて宴を始めます。
宴から少し離れるように一人になったロビンに壁越しに語りかけてくるクザンが現れます。クザンはオハラで氷漬けになったサウロの親友でも会ったことを明かし、サウロが命がけで逃がしたロビンがその後どうなっていくか見届けていました。
しかし、あちこちを次々渡り歩いては騒動を起こしてしまうロビンを見て、ウォーターセブンでケリを付けるつもりでしたが、ルフィ達という「宿り木」を見つける事ができたのを確認し、「オハラはまだ滅んじゃいねぇ」と言い残しその場を去ります。
さらにその後の新聞でエニエスロビーで散々暴れたフランキー一家について新聞記事に載っていないのも、青キジが手を回してくれていた可能性があります。
だらけきった正義を掲げておきながら、ロビンを見守り、恩人でもあるガープの孫ルフィを殺さず、親友サウロの意思を20年間も守り続けている信念を持つ人物とも言えるでしょう(ちなみにこの後のルフィ達の船出もガープと共に見届けている)。
青キジのマリンフォード頂上戦争
海軍三大将揃い踏み
青キジがまたまた登場するのはマリンフォード頂上戦争編が始まる直前のポートガス・D・エースが処刑される6日前、海軍の元帥であるセンゴクによって海軍本部があるマリンフォードに各海で活躍、名を挙げる屈強な海兵たちが集まります。
その中に当然ながらいるのが三大将の赤犬「サカズキ」、黄猿「ボルサリーノ」、そして青キジ「クザン」の姿もありました。
頂上戦争ではクザンはサカズキほどの目立った活躍はしていないものの、様々な場面で縁の下の力持ちとなっていました。
クザンが実は一番忙しかった?
エースを奪還しにきた白ひげが「グラグラの実」で起こした海軍本部全体を覆う巨大な大津波を凍らせるだけでなく、再び津波を発生させられないように周辺の海をアイスエイジで凍らせて同時に足場を作り出します。
さらに白ひげの巨大な衝撃を赤犬と黄猿と共に防いだりもしますが、特攻してきたルフィを殺さない程度に追い返す等のやや不可解な行動も取ります。
ただし、全く負傷しなかったわけでもなく、ジョズの不意打ちには口から血を流しておりましたがその後ジョズを凍らせて行動不能にします。
しかし、エースの「メラメラの実」との相性は互角であり、それ以上は深追いしませんでした。
しかし、エースを殺されてしまい、心身ともに大ダメージを受けたルフィを逃がすために、海に逃げようとするジンベエの逃げ方を前もって予想していたのかさらに周辺の海を凍らせてしまいます。
結果的に赤犬ほどの派手な戦いはしていないものの、海を凍らせることで海軍にも多くいる悪魔の実の能力者を守ったり、白ひげ海賊団の幹部ジョズ等を多く倒したりしているので大将としてまったく働いていなかったというわけではありません。
2年後の青キジは…黒ひげの仲間!?
2年後の新世界編では青キジ「クザン」に大きな変化が訪れていました。頂上戦争の後のクザンは何と海軍を辞めており、大将の座から降りていました。
そして恐ろしい事にヤミヤミの実の能力者である黒ひげ「マーシャル・D・ティーチ」率いる黒ひげ海賊団に入団しているという事です。
海軍でだらけきった正義を掲げていながら確固たる信念を持っていたクザンがなぜ黒ひげ海賊団に入っているのでしょうか。
新元帥の座を巡って赤犬と争う
頂上決戦後に当時元帥だったセンゴクは元帥の座を退き、センゴクとしては青キジを推しましたが、政府上層部などが赤犬を推すなど、それぞれを推す一派がいました。
クザンは赤犬サカズキとパンクハザードで三日三晩の決闘を行いますが、結果として勝者はサカズキとなったため、新元帥はサカズキとなりました。
しかし、それを良く思わなかったのか、もしくはサカズキの考えに付いて行く気が無かったのかクザンは海軍大将の座を捨てて下野してしまいます。
そして、サカズキとの戦いで左足を失ったクザンは、氷で作った義足でニット帽やサングラスでモデルとなった松田優作のような格好で旅をしていました。
クザンは黒ひげ海賊団へ!?
その後、ドレスローザ編でスモーカーにトドメを刺そうとするドフラミンゴの前に突如として海軍を去ったクザンが現れます。
ドフラミンゴは王下七武海の一人でしたが、そのドフラミンゴを相手に始終片手をポケットに入れたまま圧倒的な実力差でドフラミンゴを退けてしまいます。
海軍を去ったはずのクザンがいきなり現れた理由は不明(元同僚のスモーカーを助けに来たのかもしれない)です。
しかし、ドフラミンゴの「あまりいい噂は聞かねぇぞ」、スモーカーの「”闇”に通じている」、そしてトリーダコロシアムで黒ひげ海賊団一番隊隊長「ジーザス・バージェス」と黒ひげが電伝虫で会話していました。
バージェスの「だがおれァ”青きじ”なんざ信用できねェってんだよ!!!」の発言から、クザンが黒ひげ海賊団に加入、もしくは手を組んでいる可能性がとても濃厚になりました。
クザンほどのキャラクターがなぜ黒ひげ海賊と組んでいるのかはいまだわかりませんが、クザンは「海軍に所属しなくても実行できる事はある「所属しねェから見えて来るもんもある……」と言っております。
これは何か大きな目的があって一時的に黒ひげと手を組んでいる事への伏線のようにも思えるので、今後の黒ひげと本当に手を結んだのか?それとも他の理由があるのか?今後のクザンの行動が予想できません。
劇場版「ONE PIECE FILM Z」のクザン
「ONE PIECE FILM Z」では既に海軍大将をやめており、行方知らずの状態だったクザンですが、ドック島で身を隠していたルフィ達と出会います。
そしてこの映画での最大の敵であり、クザンにとっても恩師である「ゼファー」の目的を教えたり、ピリオ島の「永久指針」を渡したりと陰からルフィ達に協力します。
そして、ルフィとの殴り合いで敗れたかつての恩師・ゼファーが、黄猿率いる海軍相手の殿を引き受けるのを見ると、ゼファーの男気を立てるために氷の壁で退路を断ち、黄猿の海軍艦に特攻したゼファーの最期を見届けます。
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