IR開発の遅れはオンラインカジノに追い風となるか?

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IR(統合型リゾート)開発計画に遅れが生じています。大阪府は当初、2029年末のIR開業を目指していましたが、今年の夏になって計画を1年間先送りすることを発表しました。

IRとは観光客向けの大型リゾート施設のことで、日本初となるカジノが統合されることで注目を集めています。IR推進法(別名:カジノ法案)の審議段階から複数の自治体がリゾート建設に意欲を示しており、大阪は他の自治体に先駆けて国の認可を受けるにいたりました。

難航するIR計画

順風満帆のスタートを切った大阪ですが、IR計画は混迷を極めています。国からは収益計画の不十分さを指摘されており、一部の地元住民は治安の悪化を懸念してカジノ建設に反対の意を示しています。

当初から難航することが予想されていたIR計画ですが、今回の先送り発表はカジノ設置の難しさを改めて示すものだと言えるでしょう。施設スペース確保のために人工島を建設する計画は、環境に対する影響を懸念する声も上がっています。

今年の秋には人工島の地盤調査を開始した大阪ですが、リゾート設置ありきの調査には疑問を呈する人も少なくありません。また、実際に施設の建設が開始されるのは2025年春で、これは万国博覧会の開催時期と重なります。

大阪のIRはオリックスが運営を一任する予定ですが、万博がうまくいくかどうかはリゾート計画に多少なりとも影響を与えると言えるでしょう。特に交通面での懸念や宿泊施設の確保などはIR開業前に乗り越えなければならない壁だと言えます。

IR自体が海外の旅行客をターゲットにしていることもあり、万博の開催は実際のIR運営をシミュレーションする絶好の機会とも言えます。一方、万博開催が浮き彫りにした問題が多岐にわたる場合、IR開業は更なる延期を余儀なくされる可能性があります。

いずれにせよ、今回の遅延発表は大阪のカジノ運営能力に疑問符をつけるものとなりました。遅れの直接の原因は政府の対応遅れにあるとしていますが、このことは大阪の意図に関わらず、今後のカジノ計画に更なる遅延が発生する可能性も示唆しています。

勢いづくオンラインカジノ

今回の遅延は日本のみならず海外のカジノ好きも落胆させることとなりましたが、これに乗じて勢いを増しているのがオンラインカジノです。家で気軽にカジノを楽しめることを売りとしていたオンラインカジノですが、実店舗型のカジノに客を奪われるという懸念が払拭される形となりました。

仮想通貨は拡大しているため、トークンをクレジットとして用いるオンラインカジノは特に勢いを増しています。IR開業の延期が決まったことで、競争市場に適応するための猶予期間を確保できたと考える人もいるようです。

特に仮想通貨カジノは入手金を完全オンラインで行えるため、実店舗型のカジノに対する強力な対抗馬として注目を集めています。ウェブ広告を展開してボーナスキャンペーンで集客する手法は、厳しい規制がネックのIRカジノに対するアンチテーゼと捉えることもできます。

また、カジノ開業後も引き続き集客を可能とする手段として、シンガポールのモデルを取り入れる向きもあるようです。日本と同様、シンガポールは2005年に国内カジノを解禁した国で、カジノオープン後はギャンブル依存症対策に取り組む姿勢を見せています。

カジノが一般の人々に受け入れられることで、オンラインカジノ人気も更なる高まりを見せると期待する声もあります。IR開業の遅れが追い風となったオンラインギャンブル業界ですが、実際にカジノがオープンした後もその勢いに衰えは見えなそうです。

まとめ

オンラインカジノ各社は、審議中からIR法案に熱い視線を送り続けてきました。これは、将来的に実店舗型カジノが競合相手となることはもちろん、カジノ人気がオンラインギャンブル業界にとってもプラスに働くことを見越したことによります。

IR計画は、1兆円規模の超大型事業です。リゾート設置がもたらす経済効果は測れしれず、日本の経済にとっては起爆剤になることが期待されています。開業の遅れがオンラインカジノを利することになったのは明らかですが、オンラインギャンブル業界は開業後の売上増加にも大きな期待を寄せています。

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