精神と時の部屋は神の神殿最下層に存在している修行部屋である。初登場はセル編。
時の異次元空間とも呼ばれていたように、外界とは時間の進み方が違い、かなり早く時が進む。
また、過酷な環境であるため絶好の修行部屋として作中では頻繁に登場していた。主に強大な敵との戦闘の前に利用されることが多かった。
外界とは完全に隔離された扱いであるため気を感じる事すら不可能となっている。
精神と時の部屋の内部は?
その内部は真っ白な部屋であり、地平線の果てまでなにも存在しておらず、見渡す限り辺り一面が白色という異質な空間で、居住用の住居兼出入り口の建物以外は存在していない。
そのため住居以外の目印が存在しておらず一度迷うと出ることが難しくなってしまう、ある意味恐ろしい異次元空間となっている。
ちなみに、居住スペースには風呂やトイレ等生活には困らないだけの設備が整っているため、長時間の生活も可能であり、外の過酷な環境の割にはそこそこ快適な様子。
精神と時の部屋からの脱出
作中においては数多くのZ戦士たちがこの空間にて修行を行っていた。魔人ブウ編では強大すぎる力をもつ魔人ブウを閉じ込めるため利用されたこともある。
しかしこの時は外界とも完全に隔離されている空間であるはずなのに、魔人ブウの閉じ込められることへの強い拒否感で空間に穴をあけて脱出してしまい、計画は失敗に終わってしまった。
強力なパワーを持った存在なら時空間にも関与できるという印象を強く記憶に残された読者も多いと思われる。この脱出するシーンは魔人ブウの強大さと絶望感を強烈に描写された。
この部屋で修行を行うことで短期間のうちに極めて長時間の修行を行うという矛盾した行為が可能になり、短い時間でも長期間の修行を行うことで劇的なパワーアップが可能となる。
精神と時の部屋の制限
そんな便利な精神と時の部屋であるが実は制限が存在しており、基本的に二人までしか入ることができない。
そのため複数人で修行を行うことができないため、案外万能すぎるというわけでもなかったりする。
作中では悟飯と悟空、トランクスとベジータといった親子での利用がメインとして扱われていた。
その他のメンバーは界王の住んでいる界王界だったり地球での修行がメインとなってしまうというやや不便な面も。
もっとも、後で述べるが精神と時の部屋は非常に過酷な空間であるので、通常の人間どころか悟空のような超人的な戦士でも慣れるまではきついと言っていたように、常人であれば動けなくどころか最悪、死に至ってしまう可能性もある。
利用できるのは48時間
なお、精神と時の部屋を利用することができるのは一生のうち、外界の時間で2日間(48時間)が限界であり、それを越えると出口が消滅してしまい、脱出が不可能となってしまうという恐ろしい制限が存在している。
無論、唯一の出入り口である居住スペースの建物が破壊されれば出ることも不可能になる。しかし、この制限は一度死亡しドラゴンボールの力で蘇ったりするとリセットされる模様で、ベジータはドラゴンボール超にて再び長時間利用している。
ちなみに魔人ブウ編では3人が同時に入っている(正確には融合戦士であるゴテンクスがいたため4人)。
制限人数の矛盾も・・・
制限人数は二人のハズであったのだが…なお、鳥山氏のコメントによると魔人ブウ編までに改良が加えられていたとのこと。
ミスターポポが改良を行っていたらしく(ドラゴンボール大全集より)ピッコロがテレパジーで悟天と会話することも可能となっているようになっている。
当初の融通が利かない状態から一般的な修行場としての利用しやすさが増したように思える。
しかし、相変わらず過酷な環境であることには変わりがないため厳しい修行や、強敵との戦闘との前に利用されているという点はかわっていない。
また、ドラゴンボール超では3日間(72時間)の修行も可能となっているようで、さらなる改良が加えられたようである。
まあ、強力な戦士ならいくらでも修行して、出たいときに空間に穴をあければいいのではないかもしれないが…
なお、精神と時の部屋を使用中の時は内側からしか開けることができない。
精神と時の部屋の設定
精神と時の部屋内部は真っ白い空間で静かであるが内部は非常に過酷なものとなっている。
その過酷さは幼少期の悟空が1ヶ月もいられなかったと言っていたほどである。
空気の薄さ
精神と時の部屋は地球とほぼ大きさであり、空気は地上の4分の一ほどしかない。
これは高度10kmの高さとほぼ同じくらいである。なお、通常の人間であれば高度8kmを越えたあたりで窒息死してしまう危険性がある。
余談ではあるが、エベレストの山頂付近で空気は大体地上の3分の1ほどの薄さとなっている。この時点でかなり過酷な環境ではあるが、Z戦士はしょっちゅう空を飛んでいるので空気の薄さは割と気にならないのかもしれない…
重力は地球の10倍
重力といえば界王界や宇宙船でおなじみである訓練法である。重力が10倍ということは自重も十倍近くとなってしまうのでまともに動く事すらままならない。
実際、界王界に初めて行ったときの悟空はバブルスくん(界王界で界王と暮らしているゴリラ)を捕まえるのに非常に苦戦していたように、超人的身体能力があっても非常に過酷なものであると考えられる。
後に界王界で修行したヤムチャや天津飯などもこの重力10倍を体験している。しかし、一方でベジータや悟空は100倍の重力下でも修行を行っていたのである程度慣れてくると平気なのかもしれない。
ちなみに、惑星ベジータの重力は地球の10倍ほどである、という設定がある。
広大なスペースと寒暖差
そして前でも述べたように精神と時の部屋は辺り一面が真っ白なので、居住スペースの建物を見失ってしまうと最悪の場合永遠に過酷な環境でさまよいかねないこととなってしまう。
そして気温はまっ白で何もないのだが下は-40℃から上は50度という非常に激しい寒暖差が存在している。変化の差は接死90℃というとんでもない温度差がある。
まず通常の生物では生存が不可能なレベルであるといえる。真っ白なので温度の変化の移り変わりを察するのも非常に難しいと思われる。
気温が下がってくると氷の塊が出現し、吹雪が吹いたりなどする。その寒さは激しくかめはめ波を売っている悟空の体が足元から凍っていくほどである。
また、外界との交信も初期は完全にシャットダウンされていたので、セルや他のZ戦士の気も感じることができなくなっていた。
これによって集中して修行を行うことができるようになる。しかし、一度入ってしまうと中からしか開けることができないため、万が一の場合が起こって外から呼びに行ったり救助をしようとしても連絡ができないという欠点が存在している。
時間の進む速さ
精神と時の部屋の中では外での1日が1年間の長さとして経過していくこととなる。
つまり24時間外で経過している間に精神と時の部屋の内部では1年もの間の時間が経過していることとなる。これによって過酷な環境での長時間の修行が可能となる。
セル編でセルがセルゲームまで10日間の準備期間を与えられた間に悟空と悟飯が、ベジータとトランクスが交互に利用していました。
これによってセルゲームまでの猶予期間の間に万全な状態まで修行をすることができ、悟飯がスーパーサイヤ人になるための時間を稼ぐこともできた。
当初の悟飯は苛烈な環境でダウンすることも多かったものの、その内適応していき、いつの間にか普通に戦闘を行えるほどになっていた。
環境は最適?最悪?
外界とは隔離されているものの、風呂はお湯を沸かすことができるうえに、トイレも問題なく利用できる様子である。
ベッドも完備しており、食料も1年分貯蔵可能ということ。食いしん坊の悟空でも1年分持つため非常に十分な量を貯蔵できているのだろうと思われる。
いつごろ誰によって作られたのかは不明。神が就任する以前から存在したようである。絶好の修行場ではあるものの、体を痛めつけ過ぎると悟空からは欠点を指摘されてはいた。
結果、まだ滞在時間が残っているのにもかかわらず精神と時の部屋は後にされた。サイヤ人の中でも別格の力を持つ者たちでも、体を痛めつけるということは相当に過酷な環境であるということが伝わってくるであろう。
作中では悟空、悟飯、ベジータ、トランクス、ピッコロ、悟天などが精神と時の部屋を利用して修行を行っていた。
セル編での精神と時の部屋
セル編ではベジータがまず修行を行いパワーアップして、自分をスーパーベジータと名乗るほどにまで強化を果たすことに成功した。
そのパワーはセル第二形態を圧倒するほどのパワーを誇っており、セルをあと一息で倒してしまうほどにまで追い詰めるほど。
魔人ブウ編での精神と時の部屋
後に魔人ブウをおびき寄せ閉じ込めてしまうという作戦をピッコロが立案し、ゴテンクスと共にブウと精神と時の部屋に入り、居住スペースの建物を破壊して閉じ込めることに成功するものの、ブウによって次元の壁が壊され脱出されてしまった。そ
の後、ピッコロとゴテンクスが脱出しようと苦戦するも、スーパーサイヤ人3になったゴテンクスによってあっさりと脱出できてしまった。
この際、空間の裂け目は神様の神殿に出現した。ゴテンクスもブウも同じ位置に裂け目ができていたため完全に外界とは遮断された空間に存在しているであろうことが考えられる。
現実時間に換算すると・・・
ちなみに、1年を1日として換算した場合、1ヶ月は約2時間。1週間は約30分、1日は約4分ほどの時間経過となっている。
つまり最初の頃にギブアップした悟空は外界の時間で約2時間後に精神と時の部屋から出てきたこととなる。外にいるものからしたらとても奇妙な光景に移ることだろう。
たった2時間のでも精神と時の部屋にいれば死にかける思いをするのだ。ドラゴンボール超でも絶賛利用中の様らしく、いまだに修行場としては良質なのであろうことが伺える。
しかし、真っ白で何もない空間なので時間間隔が把握しづらそうではある。強靭な精神力が無ければ、1日中明るく真っ白な空間に長時間い続けるのは精神的にかなり辛いものがあるのではないだろうか。
精神と時の部屋の意外と知らないうんちく
セル編の前にも使われていた?
作中でセル編においてその存在が登場して、数多くの場面で使用され、多くのZ戦士たちを強化した修行場である精神と時の部屋であるが、実はセル編で登場する以前に使われていたのではないかと思われる描写が存在している。
第23回天下一武道会の時に現れた悟空、ピッコロ大魔王との闘いの頃と比べて非常に背が伸びていたが、実はこれは悟空が精神と時の部屋で修行を行ったから急速に成長したように見えたのではないかもしれない。
実際に、トランクスは以前にもましてマッシブなボディを手に入れ、悟飯に至っては髪が伸びてスーパーサイヤ人として目覚めていた。
人数制限の矛盾
魔人ブウ編で3人は入れたことについては、鳥山氏がネットでの多くの意見を見ているうちに改めてミスターポポによって改良されていたとコメントしてくれたという。
バラバラになったシェンロンの修復といいミスターポポはドラゴンボールの中でも特に縁の下の力持ちのような存在となっている。
しかし、精神と時の部屋の改良ができたということはその内精神と時の部屋もその内2人どころか数10人の修行者が集まって使うことができる修行場になるかもしれない。
質素な食料しかない
精神と時の部屋に貯蔵されている食料は大量に存在しており、食いしん坊な悟空がいても1年は持つと述べたが、実際のところは粉のような質素な食料しか存在していないため非常に味気のないものとなっている。
そのため、修行が本格的に開始するためにミスターポポに作ってもらった食事を描きこんでから修行を開始するという場面が描かれていた。
水があれば取りあえず生きていくことができるピッコロと違って食事が必要な戦士にとってもこれはこれで十分過酷な条件だ。
その他
ちなみに超、Zと活躍している精神と時の部屋ではあるが実はGTにおいてはその存在に触れられていることはなかったりする。
悟空とウーブ(魔人ブウが善の魂となって転生した姿)の修行シーンは主に神殿で行われており、精神と時の部屋は使用されていない…ので精神と時の部屋ファン(?)にとっては物足りないかもしれない。
先ほど述べたが精神と時の部屋で修行してベジータは自身をスーパーベジータと呼ぶほど自信たっぷりの様子であったが、実は人造人間19号との戦闘に置いても名乗っているため、精神と時の部屋で修行する以前から決めていたようだ。