赤犬(サカズキ)とは?

赤犬とは『ワンピース』に登場する海軍大将、2年後ではセンゴクに代わって元帥の地位に就いているキャラクターです。

本名はサカズキ、『仁義なき戦い』や『千と千尋の神隠し』の釜爺役で有名な俳優の菅原文太さんをモデルにしていると作者の尾田さんが公言されています。

時期的に『仁義なき戦い』に出演し大ブレイクしていた頃の菅原さんで、髪型や広島弁の使用など、見比べると本当にそっくり。

アニメでの声優は、同作でドン・クリークも担当した立木文彦さん。クリークの粗野で粗暴な声とは一変し、静かで重みのあり厳格さを感じる演技で見事に演じていらっしゃいます。過去編の中将時代には、同作に多数出演している中尾みち雄さんが担当しています。

年齢55歳。3メートルはある大柄な人間男性で、赤いスーツに胸のバラがお洒落。海軍の帽子を深くかぶり、襟からは和彫りの刺青が覗き、モデルもあいまってザ・極道といった感じです。

悪魔の実の能力者

能力者でもあり、マグマになることができる自然系でも上位に食い込む“マグマグの実”のマグマ人間。

エースの“メラメラの実”を上回る火力と破壊力を持ち、大将の名に恥じない絶大な戦闘力を誇っています。

性格

性格は苛烈で、己が信じる正義を貫く硬骨漢。『徹底的な正義』を掲げ、例え相手が市民や味方の場合でも正義に背いてると判断した場合は躊躇なく攻撃を加えます。

『人間正しくなけりゃ生きる価値無し』『悪は可能性から根絶やしするべき』をモットーとし、青キジはその姿に戦慄していました。

とはいえ、海賊の大部分が極悪人ということもあり、無意味な殺傷や利己的な行動は作中取っておらず、海軍兵士や世界政府からの支持は高いようで、上層部からは元帥にも押されています。

その言動とSBSでの発言から、過去に海賊と因縁があるようで、その性格の根底に大きく影響していると思われます。

また革命軍のドラゴンとも何かしらあるようで、ルフィに対しては一貫して『ドラゴンの息子』と呼び命を狙っていました。

初登場

中将時代、ロビンの過去編にてバスターコールを受けオハラを攻撃する中の一人として登場。

この時はまだ顔は明らかになっておらず、民間人の乗る船を粛清対象の学者が乗っているかもしれないと躊躇なく沈め、その苛烈さを印象付けました。

頂上戦争

本格的な登場は白ひげと海軍の頂上戦争。逃げようとした海兵を「生き恥をさらすな」と粛清し、ジョズの投げつけた巨大な氷塊を一撃で蒸発、センゴクの仕掛けた心理戦の実行役としてスクアーロに接触し反逆を諭すなど活躍。

辛くも逃れ、撤退を始める白ひげ海賊団を揶揄し、挑発に激昂し挑んできたエースを圧倒し殺害、多数の攻撃を受けながら白ひげの顔半分を吹き飛ばすも地割れに巻きこまれ一旦戦線離脱します。

しかし、驚くべきタフネスで復帰し多くの白ひげ配下の海賊を撃破、ルフィにも消えない傷を残し、勝利に貢献しました。

大将の中では、一番の重傷を負いましたがその分多大な戦果を残しています。

戦後

世界政府から元帥に推され、センゴクの推薦した青キジと対立。

決闘の末重傷を負いながらも勝利し元帥の座を手に入れ、“世界徴兵”や本部を“新世界”に移転するなど体制の強化に努めています。

映画『Z』では手元と影のみで登場し、かつて世話になったゼファーに対しても、今は敵と粛清を命じるなど変わらぬ様子を見せていました。

2年後

ジンベエの口から決闘の末元帥に就いたことが語られたのを皮切りに、パンクハザード編の会議シーンで、口周りに髭を生やし、葉巻を吸う姿が描かれました。

ドレスローザ編ではドフラミンゴの突然の王下七武海脱退やモンキー・D・ルフィとトラファルガー・ローによる海賊同盟に対して、大将””藤虎”をドレスローザに派遣しました。

この時、ドレスローザの七武海脱退騒動を誤報にした世界政府の決定に納得がいかず、五老星へ直談判に向かっているなど必ずしも世界政府を盲信しているわけでないことが示唆されていました。

顔に傷こそありますが、青キジと比べればまだ軽傷であり強さがうかがえます。また、あくまでも信じているのは己の正義という点は一切ぶれていないということが分かりますね。

赤犬の評価

ドレスローザの一件が終結した際には藤虎の対応についての一喝しましたが、藤虎もまったく引かず、改めて藤虎にルフィとロー及びその一味の拿捕を言い渡しました。

作中屈指の人気キャラであったエースを殺害し、過去編でしか人は死なないという『ワンピース』の暗黙の了解を打ち破る。

命令とはいえ民間人の乗った船を撃沈する、味方であろうと正義に反すれば粛清する。など、その行き過ぎた行動には、多数の批判が集まっています。

一方で、そのぶれない姿を評価し、未だ底知れない強さに憧れる声もあり、良くも悪くも評価を2分しやすいキャラクターです。

ラスボス候補の一人とも目されている赤犬は、今後どう物語に絡んでいくのでしょうか?

海賊は未だ多く、黒ひげ、ルフィ、ドラゴンと因縁深い相手が多くいます。要注目です。

赤犬のうんちく

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赤犬のうんちくをご紹介しましょう。

モデルは菅原文太さん

実在の俳優さんをモデルにしているキャラも多い『ワンピース』ですが、赤犬にもモデルの方がいらっしゃいます。

それは菅原文太さん。惜しくもお亡くなりになられましたが、『仁義なき戦い』で一躍有名になり、声優としても『千と千尋の神隠し』の釜爺役を担当されたりコンスタントに活躍していた名優です。サカズキの本名も、やくざ映画繋がりでしょうね。

時期的には『仁義なき戦い』の油が乗り切っていた頃のもので、角刈りや顔など本当にそっくり。

菅原さんも気に入っていたようで、自家製キムチに尾田さんがイラストを寄稿していたりもしました。

ちなみに青キジは『探偵物語』のころの松田優作さん、黄猿は『トラック野郎』の田中邦衛さん、藤虎は『座頭市』の勝新太郎さんです。

機会があったら是非、見比べてみてください。

趣味は盆栽

強面のイメージの強い赤犬ですが、扉絵では盆栽を整える姿が見れます。数少ないコミカルな場面で、黄猿がそれを眺めていたり意外と馬があうのかもしれませんね。

またこのシーンでは刺青をみせていますが、これは逮捕されてしまった尾田さんの友人へのエールであると言われています。

赤犬の由来

赤犬の由来ですが、青キジ、黄猿と合わせ、おそらく桃太郎のお供がネタ元と思われます。

ところが実は『仁義なき戦い広島死闘編』にて、モデルの菅原さんがなんと犬を食べるシーンがあるのです。

当時は赤犬と称されており、作中でも強い印象を残す名シーンでした。ここからももしかしたらとっていたのかも?

サカズキという名前も、極道の盃を連想させますね。

ドラゴンとの因縁

悪は皆殺しスタンスな赤犬ですが、唯一革命軍の指導者ドラゴンには並々ならぬ執着を見せています。

終始『ドラゴンの息子』と呼び、しつこく命を狙っていました。なんらかの因縁が感じられますね。

子供時代

SBSにて子供時代が明かされた赤犬ですが、同時に公開された同僚やガープたちと比べてもその姿は異様です。

傷だらけで汚れ、ナイフを持って暗い目で睨みつけ、服には返り血(?)が。帽子には『正義』の文字が書かれていますが、環境の過酷さが伺えますね。

法則を打ち破った

過去編にて死亡描写自体はあった『ワンピース』ですが、現代では死者が描写されたことはありませんでした。

赤犬はそれを打ち破り、人気キャラであったエースを殺害したのです。




赤犬の名シーンをピックアップ

ここでは赤犬の作中名シーンをご紹介。

初登場

やるんなら徹底的にだ……!

中将時代、オハラのバスターコールに参加する中で初登場。民間人の乗る船を、粛清対象がいるかもしれないと砲撃。青キジも慄然としていました。

顔を隠し、口だけ見える姿は形のない不気味さを醸し出しており、このころからその苛烈さが伺えます。『徹底的な正義』は伊達じゃありません。

大噴火

フフ……派手な葬式は嫌いか白ひげ……

ジョズの投げつけた氷山ほどの氷塊を『大噴火』の一撃で蒸発させ、その余波で船を一隻沈めました。半端ないほどの戦闘力です。

大海賊白ひげに対して一歩も引かないその姿は、余裕の態度も相まって大物感を否が応にも高めています。

逃げることは許さない

本当に家族を想うちょるんなら

“生き恥”をさらすな……!

戦争中、怖気づき逃げ出そうとするコビーとヘルメッポの前に登場。同じく怖気づいて逃げ出そうとした海兵を前に語り、躊躇なく粛清します。

初めてのアップ画面にこの行動……。凄まじいインパクトです。

流星火山

センゴクの策で白ひげたちを袋のネズミにし、逃げ場のない彼らにマグマの雨を降り注がせます。

この一撃で多数の損害はもちろん、白ひげの旗船『モビー・ディック号』を撃沈させ、多大な心理的ショックを与えることに成功しました。

時代の敗北者

白ひげの命令通り撤退を始める海賊たちに、対し蔑むように淡々と言葉を重ねていきます。

腰抜けの集まり

白ひげは時代の敗北者

ゴミ山の大将

などど愚弄し、エースの逆鱗に触れました。これは挑発の意味合いもあったのでしょうが、同時に真実もついており、だからこそエースは立ち止まらざるを得なかったのでしょう。

エースの殺害

赤犬と言えばこの場面でしょう。作中屈指の強さを持つエースを圧倒し、庇ったところを拳で貫き致命傷を与えます。

見開きの大ゴマは大迫力です。重要人物の死に、多くの読者に衝撃が走りました。

白ひげにも致命傷

エースの死に激昂した白ひげに猛攻を受けますが、ダメージを受けながら頭半分を吹き飛ばします。

その後もルフィを狙い、名だたる海賊たちと互角以上の戦いを続けて、消えない傷を刻みつけました。

徹底的な正義

海賊という“悪”を許すな!

もはや勝敗は決定的にもかかわらず、逃げ惑う海賊に苛烈な攻撃をくわえ続けます。

仲間の負傷も顧みず戦う姿は、味方にすらなにか違和感をかんじるほど凄惨な結果を生むのでした。

赤犬の謎とは

今回は赤犬の謎をご紹介。皆さんも思っている疑問があるかもしれません。

なぜ過剰に海賊を憎むのか?

作中では、一部を除いて海賊は恐ろしく嫌悪する対象として書かれています。

当然それを取り締まる海軍はそれが顕著ですが、センゴク、ガープ、コビー、スモーカーなど認めた相手には敬意を払ったりする者やそんな海軍のあり方に疑問を抱いたりする者もいます。

ですが赤犬はそれが一切ありません。白ひげですら『ゴミ山の大将』と切り捨て、味方ですら正義の障害となった場合は躊躇せず排除しようとします。

過去に海賊関係で何かあったのでしょうか?SBSの少年時代ではひと際過酷で暴力にまみれた状況に置かれていたことが示唆されていましたが……。

ジュエリー・ボニーとの関係は?

超新星の一人にして、作中意味深な行動言動が多くその正体について様々に推測されている、海賊ジュエリー・ボニー。

年齢を操作する能力に、度を越した大食らいからルフィやエースとの関係も噂されています。

白ひげ、エース戦死後に涙し、黒ひげに捕らえられていた彼女ですが、何故か赤犬に救出されました。

この際、赤犬は何故か旧知であるかのように話しかけており、なんらかの関係があるのではないかと思われます。ヒヤリとしたとまで言っており、それが意味するものとは?

覇気が効かない?

頂上戦争の最中、覇気を使えるマルコとビスタに攻撃されていましたが、効いた様子がありませんでした。

青キジも覇気で白ひげの長刀に刺されながらも生きていたことから、流動し躱したとも考えられますが、赤犬の場合斬られた跡がありました。

覇気が効かないと言うのは無理があるかもしれませんが、今後の伏線となるかもしれません。

ドラゴンとの因縁

ルフィに関しては一貫し『ドラゴンの息子』と呼び、命を狙っていたことからなんらかの因縁があると思われます。

革命軍の指導者という立場を考えれば当然ですが、それにしては妙に執着が強く、他に倒すべき相手がいる場合でも狙っていました。

ドラゴンは世界の縮図と言われる『ゴア王国』の出身です。一部が富と権力を握り、そのほかは貧しい暮らしを強いられているという現状に疑問を抱き、変革のため革命軍を組織しました。

ここでサカズキの少年時代の絵を思い出してみると、まさにそういった環境に置かれていたように見えてきます。もしかすると、顔見知りだったりするかもしれませんね。

赤犬の必殺技

赤犬の必殺技をご紹介。マグマを利したその威力は、作中でも上位に食い込む破壊力を誇っています。

大噴火 (だいふんか)

マグマに変化させた腕を巨大化させ、灼熱の正拳突きを放つ技です。

頂上作戦にて、青キジが凍らせた海を引き抜き、ジョズの投げた氷山ほどの氷塊を一瞬で溶かし尽くしてしまうほどの熱量を誇り、余波で船を一隻沈めてしまうほどの威力を持っています。

流星火山 (りゅうせいかざん)

両腕を上空へ向けて噴出し、拳のような大きな火山弾を敵陣に雨あられと降り注がせ攻撃する必殺技です。

大型帆船もたった一発当たるだけで轟沈させてしまうほどの恐るべき威力を持っていますが、恐るべきはその数。雨あられという表現が誇張でないほどの物量であり、これを連発するだけで勝てるほどのものです。

センゴクの策と合わせて放ったことで、逃げ場を封じて甚大な被害を与えました。

冥狗(めいごう)

マグマに変化させた腕を伸ばし、相手に放つ掌底です。白ひげの頭部を半分焼き尽した技ですが、白ひげにはもろともされず反撃されてしまいました。

アニメでは流石に残虐すぎるためか、吹き飛ぶのはマグマ弾によってひげが半分になるにとどまっており、冥狗自体は腹部に打ち込まれるに変更されていました。

ですが逆に内臓を焼き尽している感じがあり、一層強烈な印象を与えました。

犬噛紅蓮(いぬがみぐれん)

白ひげに対して放った、マグマでできた犬で襲い掛かる技です。白ひげには長刀で切り裂かれてしまいましたが、対抗手段のない相手には脅威となるでしょう。

ほかにもマグマの体自体が脅威となります。ロギアの能力者は数多く出てきていますが、マグマの場合はそれ自体高熱を放つ凄まじい破壊兵器であり、覇気を持っていても危険です。

単なるパンチがエースを死に追いやったように、対抗手段が限られる能力なのです。アニメでは、白ひげ相手に体術でも応じており、ダメージこそ与えられていませんでしたが互角に渡り合っていました。

能力にかまけず鍛錬しているなど隙がありません。六式を取得しているかはわかりませんが、中将が取得していることからみても使える可能性は高いと思われます。

特筆するべきはそのタフネス。白ひげの地震をまとったパンチをくらい、地割れに叩き落されても出血こそあれごくごく普通に行動し、最後まで戦い抜きました。

こうしてみると、攻守ともにほとんど隙がない難敵であるとわかりますね。はたしてルフィは勝てるのでしょうか?

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